社会共創コンテスト

社会共創コンテスト2021

お知らせ

2021年7月17日(土)に開催を予定しておりました「社会共創コンテスト2021表彰式」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため、受賞者及び関係者の皆さまの安全確保を最優先に考慮した結果、中止とさせていただきました。
このたび受賞された皆さまにつきましては、ここで発表させていただくとともに、後日表彰状を送付することで、表彰に代えさせていただきます。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
これより、結果発表に先立ちまして、主催者代表よりご挨拶申し上げます。

主催者挨拶

愛媛大学長 仁科 弘重

愛媛大学長 仁科 弘重

いまだに「新型コロナウイルス感染症」が収束しない状況の中、今回、「社会共創コンテスト2021」が無事に実施できましたことについて、ご応募いただいた高等学校の生徒の皆さまをはじめ、ご指導いただいた先生方、ご支援いただいた関係者の方々に、重ねて厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

さて、「地域社会」を、地域に住む人々と「共」に「創」り上げていく「共創」の精神を持った人材を育成することを目的として創設された「社会共創学部」も、本年で6年目を迎え、この3月には、第2期生175名が社会に巣立ちました。社会共創学部の卒業生が、それぞれの立場から地域創生に参画し、「共創」の精神を少しずつ社会に浸透させてくれることを大いに期待しています。社会共創学部には、「時代に応じた新たな価値の創生を通じて、地域活性化のあり方を教育・研究すること」を目的に、伊予銀行様のご支援により、「社会共創学(伊予銀行)講座」が設置されていますが、前述した「共創」という行動理念を「高校での学びにも広げたい」という強い思いから、寄附講座の活動の一環として、この「社会共創コンテスト」を伊予銀行様と共同で実施しているところです。

5回目を迎える本年度は、前述のとおり「新型コロナウイルス感染症」が世界的規模で蔓延を続け、より感染力の強い変異株が各地で拡がり予断を許さない状況でさまざまな活動が制限される中、全国各地から昨年度を大きく上回る333件ものご応募をいただきました。Withコロナにおけるライフスタイルの変化に係わる課題をテーマとした研究も散見され、いずれも、課題解決に向けた意欲的な作品であり、地域に対する熱い思いが伝わってきました。審査結果を受けまして、7月17日(土)に「社会共創コンテスト2021表彰式」の開催を予定しておりましたが、皆様方の安全を考慮して、残念ながら中止とさせていただきました。主催者側の苦渋の決断にご理解をいただければ幸いです。なお、表彰作品の概要につきましては、本学のホームページ上で審査コメントとともにご閲覧いただけます。高校生の皆さんの素晴らしい研究成果をホームページ上でお楽しみください。

最後になりましたが、1日も早い新型コロナウイルス感染症の終息と、皆さまのご健勝を祈念し、私からの挨拶とさせていただきます。

株式会社伊予銀行 取締役頭取 三好 賢治

株式会社伊予銀行 取締役頭取 三好 賢治

まず初めに、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、「社会共創コンテスト2021」が開催できましたこと、主催者側を代表して感謝を申し上げます。応募いただいた高校生の皆さま、ご尽力いただいた関係者の皆さま、誠にありがとうございました。7月17日(土)に開催を予定しておりました「社会共創コンテスト2021表彰式」は新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて中止とさせていただきました。私も皆さまにお会いできるのを楽しみにしていたので残念でなりません。一日も早く新型コロナウイルス感染症が終息することを願っております。

さて当行は「潤いと活力ある地域の明日を創る」ことを企業理念に掲げ、これまで地域と共生、共存共栄する活動を行ってきました。これは、社会共創学部が掲げる「共創(地域と共に新しいものを創っていく姿勢)」という行動理念と同じ考え方であります。愛媛大学におかれましては、2016年4月に社会共創学部に「社会共創学(伊予銀行)講座」を設置され、その活動の一つとして「社会共創コンテスト」を開催してこられました。

今回5回目を迎えた「社会共創コンテスト2021」は、新型コロナウイルス感染症の影響で思うような研究・活動が出来ない中、全国から333件と昨年の225件を大幅に上回る多くの応募がございました。厳しい環境下において、高校生の皆さまが地域課題に立ち向かい、先生方や仲間、地域のステークホルダーと「共」に地域社会を「創」り上げようとする熱い想いが伝わってきて、大変うれしく、また、心強く感じました。

地域社会が今後も持続していくためには地域経済の活性化が必要ですが、そのためには「地域創生の基盤をなす人財を育て活かす」ことが重要であると考えています。「社会共創コンテスト」は若い高校生の皆さまが身近な地域課題に主体的に向き合い、その解決に向けて取り組む大変意義のあるものであると考えています。

新型コロナウイルス感染症によって、私達の身近な学校や職場、地域社会、広くは国際社会が分断され、これまでの日常的な営みや経済活動の変化が大きく加速しています。こういった時こそ、行政や大学、事業者、市民など、地域を構成するすべてのステークホルダーが集結し、「日々向上し、変わっていく」「新しい価値を提供」していくことで、この危機を乗り越えていかなければなりません。若い皆さまが中心となって、この危機に立ち向かい、地域に新たな経済価値を創造されていくことを祈念いたしまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。

 

社会共創コンテスト2021結果発表

「社会共創コンテスト2021」にたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
地域の発展を願う高校生からユニークなアイデアが集まりました。
その素晴らしい応募作品を発表いたします。

GRAND PRIZEグランプリ

地域課題部門

ナビゲーションスポーツ×地域おこし ~“矢板東高校ロゲイニング大会” やってみました~
長島 日花 江崎 萌音 曽川 凜 村上 実沙樹[栃木県立矢板東高等学校]

研究・探究・DS部門

シュレッダーゴミの活用~松山市全国一への道のり~
河邊 詩織 岡田 真明 近藤 寿紀 笹本 ひなた 松本 悠平[松山聖陵高等学校]

SECOND PRIZE準グランプリ

地域課題部門

大手前通りに温もりを~居心地の良い空間づくりに挑戦~
香西 美咲[姫路市立姫路高等学校]

研究・探究・DS部門

布の力に対する性質の比較から探る伊予かすりの可能性~レーザー光の干渉を用いて~
二宮 結愛 片上 航瑠 國田 章真 佐々木 桜[愛媛県立松山南高等学校]

SPECIAL PRIZE特別賞

学生審査員賞

伊勢あかりのぽーくを地域から愛されるブランドに~この豚で地域を明るく~
福田 咲蘭 木内 昭吾 上村 悠也 鹿島 大稀 谷村 菜瑚 森山 匠[三重県立明野高等学校]

クリエイター賞

禍を転じて福と為す!「 コロナ禍だからこそ、地域連携でピンチをチャンスに!!」
時山 晏佳 綱井 音羽 藤井 乃愛 安藤 庵 丸谷 日菜々[岡山県立倉敷鷲羽高等学校]

ENCOURAGING PRIZE奨励賞

地域課題部門

築き 創り 繋ぐ 泉貨紙継承プロジェクト~地域とともに歩む400年の歴史継承~
正木 楓彩 清家 志門[愛媛県立北宇和高等学校]

へき地の医療の構造改革!~女性医師の獲得とプライマリ・ヘルス・ケアの実現~
竹原 小夏 福嶋 毬乃[熊本マリスト学園高等学校]

LGBT理解を広め隊 ~私たちができるジェンダー解決の提案~
正岡 桃奈 山田 絵美佳 谷岡 花菜 武智 櫻[愛媛大学附属高等学校]

刑務所のPFI民間委託推進を通じて考える、犯罪者の社会復帰支援と再犯防止
吉田 弥生[学習院女子高等科]

高校生の潜在的ニーズを掘り起こし、地域活性化はできるのか? ~衰退した商店街を「古着」の力で活性化する~
林 周 真野 翔太 寺島 紳太朗 平野 啓斗[岡山学芸館高等学校]

「マツダスタジアム」式 町の活性化策~マツダスタジアムの仕掛けを地元のまちづくりに活かせないか~
後藤 優輝 根川 和也[広島県立油木高等学校]

郡中地区のまちづくりに関する地元住民の認識の調査とそれを踏まえた提案ー行政の目指す都市計画との認識のズレに注目してー
大西 ことみ[愛媛県立伊予高等学校]

練馬区の小学生の自己表現力向上を図る教育法の開発~心理学的アプローチを用いて~
西 茉莉絵 木曽 夏海[東京学芸大学附属国際中等教育学校]

リーダーの思い「見える化」プロジェクト-中学生の「松前町の企業を知らない」を解消する-
大西 ことみ 泉本 莉里 松本 悠暉 中村 衣里加 上甲 雅人 影浦 凜花 長友 秋晴[愛媛県立伊予高等学校]

私たちが地域を活性化させる主人公になる! ~フィッシュガールによる地域活性化の取組~
山下 咲良 兵頭 優衣 倉本 愛梨[愛媛県立宇和島水産高等学校]

令和版 海拓榴市を開催 ~コロナ禍の『今だからこそできること』~

久保井 理緒 中山 優実花 乾 飛揚 大澤 奏人 坂田 優翔 谷本 集 平井 温人 東川 七菜 山口 陽菜乃 杉山 羽杏 川脇 尚起 西田 和 保富 歩栄 濱口 こころ 岡倉 月乃 坂下 翔 多田 吏音 森本 美空 山下 雛[奈良県立奈良情報商業高等学校・奈良県立商業高等学校]

研究・探究・DS部門

裸麦粉配合による中華麺の滑らかさの変化
笹井 志空真 瀨野 大 西﨑 晶紀[愛媛県立宇和島東高等学校]

生鮮ヒオウギガイにおける低温輸送の方法の開発
竹内 陽菜 伊手 和夏 川平 紗月 高田 千聡 二宮 梓[愛媛県立宇和島東高等学校]

西条市における二ホンジカの食性分析
白川 魁 岡田 一朗 鈴木 雄太[愛媛県立西条高等学校]

審査委員長総評

愛媛大学社会共創学部長 徐 祝旗

社会共創コンテスト2021は北海道から沖縄まで、全国34の都道府県から333作品の応募がありました。高校生の活動・研究期間がちょうど新型コロナウイルス感染症拡大期に重なっていたため、応募状況が少し気がかりでしたが、ご指導していただいております各高校の先生方、地域のステークホルダーの皆さまのおかげで、今年も順調に応募者数が増えました。関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。

応募作品は毎年レベルアップしています。今年の応募作品を概観しますと、高校生の地域課題への情熱、研究・探究への知的好奇心が目に見える形で発芽、成長、結実となっていく特徴があると思います。多様かつ複雑な課題に対して高校生ならではの視点から研究テーマの「芽」を適切に設定する作品が多く見受けられます。具体的に設定された地域課題や研究・探究の目標に対して、適切な手法を用いて、課題解決へと確実に突き進むプロセスが段取りよく取り入れられています。「芽」を育て、枝葉の確実な「成長」過程が、より明確に示されています。

高校生が取組・活動を出発点として、地域課題や研究・探究課題の根本的な原因の究明、解決方法の模索を一所懸命に考えながら、地域ステークホルダーと協働し、アイデアを頭に留めることなく、社会実装に向けた試みが着実に進んでいます。「結実」が高く評価できる作品が増えています。

今回の応募作品の中には、地域活性化、災害対策、グローバル・共生に取り組む活動が多く見られる中、社会の制度設計に関する提案が増え始めました。へき地の医療、LGBT、刑務所のPFI、学校教育の方法など、高校生自らの視点による社会に対する疑問の投げかけに、私たちも考えさせられています。高校生が身近な地域や社会で研究に挑戦したり、また、先輩からその魂を受け継いできたテーマや、普段から気になっていた地域の問題に対して、個人あるいはグループで考え抜いたアイデアであったりと、その形態はさまざまでしたが、いずれも見事にその目的を達成しておりました。そのため、入賞作品の選考につきましては、優劣つけ難く大変苦慮いたしました。

さまざまな作品を通して言えることは、社会問題を自らの課題とし、地域をよくしたいと思う高校生が数多くいることであります。高校生が社会の新しい「芽」であり、彼ら彼女らの思いを具現化できるように、大学そして地域社会がバックアップしていくことこそが、新時代の主役の「成長」へと繋がり、やがて地域活性化に「実」を結びます。

5年目を迎えた社会共創コンテストは、高校生の課外活動や課題研究を評価し、社会へ発信する機能がすでに定着したと言えます。新しい試練に恐れずに立ち向かう高校生のチャレンジは、これからも続くでしょう。私たちは高大接続の在り方を問い続けながら、高校生の熱意をしっかりと受け止めたいと考えています。「社会共創コンテスト2022」で若き熱い想いと再会したいです。