アザース株式会社
今や国民食を超えて、世界に広がるラーメン。ラーメン店創業のきっかけが、一個人の海外渡航というのもまた、グローバル社会の産物か。
日本を飛び出して海外で活躍する愛媛県企業
本プロジェクトでは、海外での拠点形成や海外企業との連携を通じて新たな事業展開を進める愛媛県内企業13社より協力を得て、海外事業の内容や事業開始の経緯、諸外国における発見や制約、可能性などに関する実態調査を行った。世界のボーダーレス化が進行し、社会が刻々と変化する中、グローバルな事業展開には、その方法も規模も決まった正解などなく、むしろ千差万別である。各企業が何を求め、何を得て、そしてこれから何を目指すのか、本プロジェクトを通じて生の様子を感じていただきたい。
なお、本プロジェクトの調査実施期間は2020年11月~2023年6月であり、この間のコロナ禍は各企業の事業展開にも大きな影響をもたらした。そのため、各企業に関する内容は、調査時点のものをベースとしつつ、本ページ公開までに新たに得られた情報を適宜追加して記述した。
今や国民食を超えて、世界に広がるラーメン。ラーメン店創業のきっかけが、一個人の海外渡航というのもまた、グローバル社会の産物か。
なかには一生ものの存在となる家具。だからこそ高品質、それでいて値ごろなものを求める消費者の欲求に、独自の海外進出で対応する。
生命に必要不可欠な水を安全に得られる場所は、地球上ではまだ少ない。持続可能で豊かな水環境の保全に取り組み、人と自然にとってより良い未来を創るため、技術とアイデアで世界の環境課題の解決を目指す。
日本食の代表格、寿司。その食材となる新鮮な魚を求めるのは、今や日本人だけに限らない。磨き上げた養殖技術をもとに、海外市場へ向かう。
日々の生活で身近な繊維製品産業は、早くから海外と関係を築いてきた。安定供給とさらなる付加価値を両立させる取り組みは今も続く。
人間は、紙を通して日常生活の中で世界と結びついている。海外での原材料入手はもとより、海外進出を見据えた外国人材の活用策を探る。
人間が生きるうえで必ず発生するゴミ。持続可能な社会の構築に向けて、ゴミを新たな資源に変えるためには、世界的視野が必要となる。
日本人にとっての味の基本、出汁(だし)。日々の食卓の充実はもとより、日本の味を海外でも展開するために求められることとは?
柑橘王国・愛媛。それに飽き足らない挑戦は、海外での拠点づくりにも、柑橘栽培を超えた地域拠点づくりにも、それぞれ結び付いている。
日本屈指の工業製品、自動車。それは高度技術の結集である。国内外での自動車産業を下支えしてきた企業は、いかに海外展開を果たしたのか?
教育現場で最大かつ必須ともいえるツール、黒板。大人にとっては懐かしささえ感じる黒板は今、海外との結びつきで大きく進化している。
旅先の宿での満足感。物は小さくとも、アメニティグッズは欠かせない。世界レベルで人の移動が拡大する中、その存在価値はさらに高まる。
人間に無言の癒しをもたらしてくれる植物。見た目、色合い、姿かたち、様々あふれる植物づくりに、海外との結びつきが不可欠である。
各企業の海外展開の実態は、本プロジェクト開始当初に想定した内容をはるかに超えて多様でかつ可能性に満ちていた。これとともに、海外を目指す動機もまた、多種多様であったことも興味深い。業界が直面する課題の克服、日本の技術や文化の海外での活用、はたまた個人の関心・体験を発端とする新ビジネスなど、日本という枠を超えることで生み出される価値が、そこには多数存在した。そして、こうした価値がやがて普段の生活にも還元され、社会に次なる変化をもたらす原動力となっていくのだろう。
グローバル共創人材育成を掲げる本講座においても、こうした視座や知見は重要な意味を持つ。海外渡航やグローバルな社会動向に関心を持つ学生は決して少なくない。しかし、最初から明確な目的意識や活動計画を設定し、それを達成しなければならないのではないかという、良くも悪くも「真面目な」考え方が、自らの意欲や行動を束縛してしまっている側面も大きいのではなかろうか。しかし企業という組織レベルでさえも、海外展開に着手して初めて気づき、当初の予測や計画もそこそこに、むしろ柔軟な対応を取ることで、新たな道筋が切り開かれるという状況が、各企業での調査から見出された。こうした例を参考に、日本国内か国外かという次元ではなく、世界の中での自分自身という意識のもとで、一人でも多くの学生がグローバル共創人材として社会に羽ばたいていってもらいたい。そしてその一助となるよう、本講座の役割を今後一層強化していきたい。
愛媛銀行寄附講座(グローバル共創人材育成(愛媛銀行)講座)は、愛媛銀行と愛媛大学との連携のもと、社会共創学部において2017年度に設置されました。
本講座では、準正課教育として、実践コミュニケーションスキル講座や異文化交流活動等の展開、公開講座・講演の開催などにより、グローバル教育を多面的、実践的に強化します。また、海外フィールドワーク、海外研修、学生自主活動への支援も行っています。研究においても、海外でのフィールドワーク等を通じた海外ステークホルダーとの協働・共創や、新たな海外のフィールドワーク先等の開拓を支援しています。
これらを通じて本講座は、教育と研究、そして社会貢献が一体となった社会共創学部におけるグローバル共創人材を育成することを目的としています。