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2017.08.07 教育

産業イノベーション学科1~2年生の学生が、 学年やコースを超えて多様な地域イベントで奮闘中!

【産業イノベーション学科活動報告2017 第1回】

産業イノベーション学科の3コース(海洋生産科学コース、紙産業コース、ものづくりコース)では、愛媛大学を代表する地域密着型研究センターや研究ラボでの成果・実績を活用した教育が行われています。そうしたセンターやラボは以前より、地域との交流と連携を深めるべく、各種の地域イベントに参加してきました。今年も、昨年度の取り組みを拡充して、地域のステークホルダーとの協働を図っています。そして、こうした取り組みは、「地域や地場産業に関して、直接、肌で感じ理解する」絶好の教育機会となり、また、本学科学生のコース選択の確定と参考になっています。
今年も、本学科の学生は、学科の特性を活かして、1年生と2年生が学年やコースの枠を超えて一体となって、県内の東予・中予・南予各地域のイベントに参加しています。今回は、「第1回報告」として、以下のとおり、時系列にしたがって今年5月から取り組んだ5つのイベントにおける学生たちの奮闘ぶりを紹介しましょう!!

1.【 ロボ教材を用いた参加型公開授業の実施 】

四国中央市教育委員会および新宮小中学校との協働で去る5月17日、ロボ教材を用いた参加型公開授業が実施されました。授業補助として産業イノベーション学科より学生10名が参加しました。午前の部は中学生対象、午後は小学6年生対象で新宮小学校以外の生徒も参加、見学に来られました。機材はレゴ社製のマインドストームを用い、市販お掃除ロボットの動作の一つである「壁に当たると方向転換する」をロボットづくりからプログラム制御までを体験学習しました。補助についた学生らは小・中学生徒らに考えさせつつ、言葉を選びながらコメントをしていました。生徒の皆さんの熱心さに保護者の皆様から「このような機会が増えるといい」、「大学生との交流できて良い」、「親子の会話が増えそう」などの意見をいただきました。また、愛媛県総合教育センターの方からは、2020年度より必修化される「プログラミング」教育の連携についてもご提案がありました。更に7月30日に開催されるWRO Japan in Ehimeへの小中学生の参加も計画され、このような輪が広がっていくことに大きな期待が持てました。
ちなみに、本学科ものづくりコース2年生はWRO Japan in Ehimeへの参加が必須科目となっているため、中学生との競争が楽しみです。


2.【 「ぎゅぎゅっと愛南! 夏の陣 ~海と山を喰らう~」への参加 】

愛媛県最南端にある愛南町には、海洋生産科学コースの研究教育拠点となる愛媛大学南予水産研究センター(以下、南水研と略す)があります。その愛南町において水産業関連で最大の地域イベントが「ぎゅぎゅっと愛南! 夏の陣 ~海と山を喰らう~」です。(昨年までは「愛南びやびや祭り」で称されましたが、本年より名称変更。例年どおり、主催は愛南食のイベント実行委員会で、事務局が愛南町役場商工観光課。)
今年も、5月28日(日)に愛南町の愛南漁協御荘支所(愛南町長崎町有地)で開催されました。10回目を迎えたこのイベントに、愛媛大学は南水研設置当初から参加しています。産業イノベーション学科19人(2年生5人、1年生14人)が学年を超えて参加しました。
恒例の学生による自主企画を今年も立案し、新たに「愛南ぎょしょくビンゴ」を実施しました。今回の企画は、昨年度まで農学部海洋生産科学特別コースの学生たちが中心に実施していた「ウルトラクイズぎょショック」を本学科の学生でリメイクしたものです。これは総合的な水産版食育「ぎょしょく教育」(愛媛大学と愛南町、愛南漁協などが協働で推進)の内容をクイズしながら、新たにビンゴ形式を取り入れたものです。地元の小学生が「愛南ぎょレンジャー」に扮して登場するなか、本学科学生が前日までの準備はもちろん、当日の司会のほかイベント全体の進行もすべて協働で行いました。イベントでは、子供たち中心に楽しんでもらえ、その保護者からも好評を博していました。その成果を実感した1年生たちは、イベント終了後、来年度のイベントのさらなる向上策について話し合う光景も見られ、彼らの頼もしさが感じました。

「愛南ぎょしょくビンゴ」の司会進行をする2年生女子学生

「愛南ぎょしょくビンゴ」の裏方・設営をする1年生男子学生

小学生の扮する「愛南ぎょレンジャー」とともに記念撮影


3.【 WRO(World Robot Olympiad)in Ehime 2017 への競技参加と運営支援 】

WRO(World Robot Olympiad)in Ehime 2017 第10回 中国四国高校予選会および、小・中・高・一般エキシビションが7月30日(日)に愛媛大学グリーンホールで開催されました。昨年、本大会で優勝した八幡浜工業は全国大会2位、世界大会(インド)優勝(世界大会V2)という輝かしい実績のあり、本大会は全国的にもハイレベルな大会です。
社会共創学部産業イノベーション学科学生の本大会への関わりは、昨年度から2年目となりました。本年度も1年生有志およびものづくりコース2年生が前日から会場準備・設営、受付、運営補助、後片付けに奔走しました。
本年度よりものづくりコース科目「産業イノベーションセミナーⅠ」内でC言語を使ったプログラミングの実践にレゴロボットを利用し、WRO一般エキシビションへの参加が実現しました。参加12チームの内、本コースから5チームが参戦し熱い戦いが行われ、結果として、一般エキシビションカテゴリで優勝し、賞状と副賞を受けました。他の参加チームも決められた時間内で集中して調整、プログラムの書き換えを行い善戦しました。
一方,5月に「ロボ研修」を行った新宮小中学校からの参加があり、中学生の部で優勝を獲得しました。引率兼コーチの校長先生からも本大会での生徒たちの取り組み姿勢や集中力に感心されていました。
最後に実行委員の企業関係者より、社会共創学部学生の個性の豊かさ、与えられた仕事への対応力、場の雰囲気作りの上手さに感心されており、卒業後の活躍が大いに期待されるとの感想を戴きました。

ロボット調整時の様子

一般カテゴリー優勝

終了後に記念撮影


4.【 愛媛大学附属五校園マイスター倶楽部主催マイスターエチュード「未来の起業化プロジェクト2017」の参加 】

愛媛大学附属幼稚園、小学校、中学校、高等学校、そして特別支援学校の五校園マイスター倶楽部主催の「未来の起業化プロジェクト」は小学4年生~中学生を対象として、企業組織、株式、企画からものづくり、そして販売の一連を7月27日~31日の4日間、体験することで、チャレンジ精神を育成することを目的としている。その支援として、産業イノベーション学科学生1年生5名,2年生4名の有志が参画しました。また,今回から附属高校の生徒が3チーム起業家し,更に7名が経営コンサルタント補助として参加しました.
学生は安価で独創的さらに小学生にも製作可能な魅力ある商品を考え、小学生に対して商品のピーアールを行いました。参加小学生が株式会社を立ち上げ、商品販売のための事業企画の計画と、投資家へのプレゼンを行ために、学生らは経営コンサルタントとして関わり必要経費を如何に獲得するかのアドバイスや商品製作に挑戦しました。小中学生の柔軟な発想力も加わって、魅力的な商品に変貌するものがあったり、製造コストが抑えられたりと学生らも刺激を受けていました。
松山市繁華街恒例の土曜夜市最終日には商店を開き、商品販売にも挑戦した際には、学生と地域の方々とコミュニケーションがなされ、社会共創学部学生への激励の言葉もいただきました。プロジェクト最終日は原価計算、販売利益、投資家への配当など小学生には少し難しいため、学生とともに計算して利益率を競っていました。高校生らも会社経営するために必要な基本的な知識を講義で,魅力ある商品製作と販売,会計管理を実践で学んでいました.
学生らは、「売れる商品」づくり(企画)の大切さ、それを裏付ける市場情報の重要さを感じており、専門知識以外の幅広い知識を身につけることが社会(地域)活動として必要であることを実感していたようでした。
最後に、マイスター倶楽部の平塚 肇氏より参加学生に対して,近年,教育素材はインターネットで手に入れられるが学ぶ意欲やチャレンジし続けることの大切さ,グローバルな視点を身につけることなど叱咤激励をいただきました。

企画書作成の様子

製作手順説明の様子

商品製作の様子

商品製作の様子

土曜夜市での商店開店

会計処理の様子


5.【 「四国中央紙まつり」の参加 】

去る7月29、 30日の両日、四国中央市の夏を彩る「四国中央紙まつり」が、四国中央市川之江町商店街周辺で開催されました。「四国中央市紙まつり」は、1978年に「川之江ペーパーカーニバル」として始まり、第3回からは「紙まつり」と名を変え、「市民全員の賛同と参加のもとに、故郷川之江の紙を主題としたまつりとして永く定着し、さらに発展させることにより、市民生活に潤いと活力をあたえ、明るく、豊かなふるさとづくりの一環とする(四国中央市紙まつりHPより)」ことを目的に発展してきました。
例年、愛媛大学からは、地域の皆様とのふれ合いと大学のPRを目的として、大学院農学研究科・紙産業特別コース(現・バイオマス資源学コース)の大学院生と紙産業イノベーションセンターの教職員とでブースを出展しています。今年は、当学科から6名の学部生が援軍として加わり、例年にも増して賑やかな布陣となりました。
ブースでは、身近な紙製品に関する「紙クイズ」のほか、紙のこよりを使った水風船釣りや紙産業特別コースの活動内容を記載したポスター展示など、紙に関するイベントを実施しました。「紙クイズ」では「【新聞紙・牛乳パック・お菓子の箱】の中でリサイクルできるものはどれかな?」や「日本の古紙回収率は何%かな?」など、身近な紙に関するクイズを出題しました。日本の古紙回収率に驚かれる方も多く、紙製品の持続可能性について知っていただけたのではないかと思います。また、紙の耐水性を実感してもらうため、ティッシュペーパーとトイレットペーパーで作ったこよりを使って水風船釣りに挑戦してもらいました。ティッシュペーパーで作ったこよりは水に濡れるとすぐに切れるため、一見、よく似た紙製品でも、用途に応じて全く異なる性質を付与されていることを体験してもらいました。
天気にも恵まれ、大学のブースにも多くの方が訪れ、当学科の学生は、大学院生の指示のもと元気よく声掛けなどを行い、積極的に地域住民との交流を図っていました。社会共創学部の黄緑のポロシャツを見て、地域の皆様から当学科への期待や励ましの言葉を多数頂きました。今後も、地域の皆様と交流を図るとともに、より一層地域に根ざした大学を目指して活動して参ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街に本大学紙産業に関するブースを出展し、地域の方々との交流