授業紹介

地理情報システム学

地理空間情報とは

講義風景

私たちの日常生活にはさまざまな情報があふれていますが、この情報のうち、場所と関連付けられたものを地理空間情報と呼びます。たとえば「Aという店のモンブランが美味しい」と言うのは一般的な情報ですが、「XにあるAという店のモンブランが美味しい」というのは地理空間情報です。専門用語で言えば、「Aという店のモンブランが美味しい」という部分が「属性情報」と呼ばれるものであり、「XにあるA」という部分が「位置情報」と呼ばれるものになります。地理空間情報は「位置情報」と「属性情報」を併せ持った情報ということになります。

私たちの社会と地理空間情報

GISを用いたフィールドワークのまとめ

現在、私たちの生活は多くの地理空間情報に支えられています。たとえば、スマートフォンに入っている地図アプリケーションは地理空間情報を用いたものです。コロナ禍で出前配達サービスに注目が集まりましたが、配達サービスは「『どこ』から『どこ』へ配達するのか」という情報がサービスの授受に必要となります。また、行政が保有する「誰が『どこ』に住んでいるのか」という住所情報は、行政が適切な住民サービスを提供するうえで重要な情報になります。このように、当たり前過ぎて気にしないかもしれませんが、私たちの生活は無数の地理空間情報とこれに基づく各種サービスに支えられています。つまり、地理空間情報は現代社会における重要な社会的インフラストラクチャーなのです。

本講義の目的

GISによる地図作成

地理空間情報が現代社会に不可欠なものであることを踏まえれば、地理空間情報を十分に理解し、これを活用することのできる地理的リテラシーは、現代社会を生きる私たちにとって重要な素養と言えます。こうした状況を踏まえ、本講義では、地理空間情報に関わる各種概念の理解を通じて地理的リテラシーを涵養するとともに、地理情報に関わる情報技術である地理情報システム(GIS)の活用を通じて地理情報を用いた空間分析の基本的な技能を修得することを目的としています。