研究紹介

亀ヶ池研究について

  • 教員: 大森 浩二
  • 学科:
  • キーワード: 湖沼生態系、熱塩成層、湖底無酸素化

調査目的

亀ヶ池の現状を把握し、その改善策を検討する。

亀ヶ池の概要

佐多岬半島伊方町加周に位置する亀ヶ池は、東西約550 m、 南北290 m、最大水深 7.2 m、 総面積0.102㎢, 約30万㎥, 流域面積 1.47 ㎢ の海跡湖である。1600 年ごろは陸地に入り込んだ海と記録されており、その後徐々に閉鎖的になったといわれている (金井・井内 2004)。1954年ごろに水門が作られ淡水化したと考えられる。

調査項目及び方法

・水質(水平/鉛直分布)
  ・水温(TCD計)
  ・塩分(TCD計)
  ・溶存酸素量(DO計)
  ・クロロフィルa 量(クロロフィル計)
  ・全窒素量(分光光度計)
  ・全リン量(分光光度計)
  ・流入水量(流速計)
・底泥
  ・酸揮発性硫化物量(検知管法)
  ・有機物総量(灼熱減量法)
・生物
  ・池の魚類(刺し網/投網/タモ網)
  ・池の底生生物(コア採集法)
  ・流入河川の生物(タモ網)
  ・ビオトープの植生(トランセクト法)

亀ケ池の環境修復:水門管理による亀ヶ池の環境改善

2018年9月の環境デザインフィールド実習において、伊方町二見地区の亀ケ池の環境調査(DO、塩分、温度、溶存硫化物量、堆積物の有機物含量・硫化物量)をおこなった。その結果、表層水の温度が高くて、塩分が薄い状態であった。これに対して、深い層の水は温度が相対的に低く、塩分が高い(50%海水程度)状態であった。つまり、表層水は、底層水に比べ比重が軽く、熱塩成層が形成されており、水塊構造としては安定した、鉛直混合のない表層からの酸素供給のない状況であった。
それ故、比較的高い堆積物の有機物含量から、湖底での酸化的(酸素を使う)有機物分解段階を越えて、酸素を使わない硝酸・亜硝酸また硫酸イオンを利用した嫌気的有機物分解の段階に達しており、底層には無酸素層が広がり、硫酸呼吸の副産物である硫化水素(生物毒)が大量に生産される無生物の世界が広がっていた。
この環境を改善するためには、海水と湖水の交換を促進する水門管理方法を、湖水環境のモニタリングを行うことにより、検討する必要がある。