■地域学系大学・学部等連携協議会
本協議会は、全国国立大学の地域学系大学・学部・学科等が連携し、各大学の教育・研究・地域貢献活動の交流を通して、それぞれの大学における地域学研究の質を向上させ、地域学という分野を確立させるために、2005(平成17)年度に設立されました。設立以来、年に一度の会議およびシンポジウムを開催しています。2024(令和6)年度には、本協議会を発行主体とする査読付きジャーナル『地域実践研究』を創刊しました。
●地域学系大学・学部等連携協議会 参加校(2025年9月現在)
北海道教育大学 函館校(教育学部 国際地域学科)
弘前大学大学院 地域社会研究科
弘前大学大学院 地域共創科学研究科
山形大学 地域教育文化学部
宇都宮大学 国際学部
宇都宮大学 地域デザイン科学部(オブザーバー)
金沢大学 地域創造学類
岐阜大学 地域科学部
鳥取大学 地域学部
愛媛大学 社会共創学部
徳島大学 総合科学部
宮崎大学 地域資源創成学部
●沿革
| 年度 | 内容 |
|---|---|
| 2005年度 | 地域学系大学・学部等連携協議会が発足(2006年3月6–7日)。発足時の参加校は、北海道教育大学函館校、山形大学地域教育文化学部、宇都宮大学国際学部、岐阜大学地域科学部、鳥取大学地域学部の5校。 |
| 2007年度 | 「地域学系大学・学部等連携協議会設立趣意書」を採択。 |
| 2009年度 | 金沢大学地域創造学類が参加。 |
| 2011年度 | 徳島大学総合科学部が参加。 |
| 2013年度 | 本協議会参加校の学生たちが、合宿研修を通して地域課題を見つけ、地域活性化に向けた提案を行う共同教育プログラム「インターユニ・フィールドワーク・プログラム(IFP)」を、徳島県勝浦郡上勝町をフィールドとして実施。 |
| 2014年度 | 再び徳島県勝浦郡上勝町をフィールドとしてIFPを実施。 |
| 2015年度 | 岐阜県郡上市をフィールドとしてIFPを実施。 |
| 2016年度 | 広域函館圏をフィールドとしてIFPを実施。弘前大学大学院地域社会研究科が参加。 |
| 2017年度 | 愛媛大学社会共創学部が参加。 |
| 2019年度 | 宮崎大学地域資源創成学部が参加。 |
| 2024年度 | 弘前大学大学院地域共創科学研究科が参加。査読付きジャーナル『地域実践研究』を創刊。 |
| 2025年度 | 宇都宮大学地域デザイン科学部がオブザーバーとして参加。 |
●各年度の当番校とシンポジウム等のテーマ
| 年度 | 開催大学 | テーマ |
|---|---|---|
| 2005年度 | 鳥取大学 | (シンポジウム開催なし) |
| 2006年度 | 岐阜大学 | (シンポジウム開催なし) |
| 2007年度 | 宇都宮大学 | 『地域学』と『国際学』 ―多文化公共圏との関連で― |
| 2008年度 | 山形大学 | (シンポジウム開催なし) |
| 2009年度 | 北海道教育大学函館校 | (シンポジウム開催なし) |
| 2010年度 | 鳥取大学 | 地域づくりと地域学 |
| 2011年度 | 金沢大学 | インターンシップ教育の成果と可能性~地域で学生をいかに育てるか~ |
| 2012年度 | 徳島大学 | 地域の元気をつくるプレミアム人材育成-地方国立大学連携の役割- |
| 2013年度 | 岐阜大学 | 地域連携と教育の可能性と課題:広がりを求める、繋がりを考える |
| 2014年度 | 宇都宮大学 | 地域への多様な接近 |
| 2015年度 | 山形大学 | 教育を通した大学と地域の連携の可能性 |
| 2016年度 | 北海道教育大学函館校 | 地域課題に挑む大学教育-ノウハウの共有を目指して |
| 2017年度 | 鳥取大学 | 地域課題に挑む大学教育―ノウハウの共有を目指して |
| 2018年度 | 弘前大学 | 地域系学部・大学院の本来の姿とは-真の文理融合による地域実践とは何か- |
| 2019年度 | 愛媛大学 | 地域系学部・大学院の特色・強みとは-実践教育の実質化(質保証と当該評価)- |
| 2020年度 | 宮崎大学 | (シンポジウム開催なし) |
| 2021年度 | 宮崎大学 | 地域志向型教育の新たな挑戦-宮崎県都農町の実践から- |
| 2022年度 | 金沢大学 | 大学連携は県域を越えて地域変革人材を育成できるか?〜信州大学・富山大学・金沢大学のCOC+R事業の事例から〜 |
| 2023年度 | 徳島大学 | 実践! 地域連携事業の活かし方!~地域観光チャレンジ(四国4国立大学とJR四国連携事業)を契機とした四国連携研究の萌芽と各大学の試み~ |
| 2024年度 | 岐阜大学 | 岐阜大学における地域学系の教育・研究 |
| 2025年度 | 宇都宮大学 | 人文社会科学系の研究成果をどのように評価し、社会に発信するか |
| 2026年度 | 山形大学 |
地域学系大学・学部等連携協議会設立趣意書
20世紀が「国家の時代」であったとするなら、21世紀は「地域の時代」である。世界的なグローバリズムの進展の中で、従来の国家の枠組みは相対的に弱まり、一方で「地域」が台頭してきた。
我が国においても、地方分権の推進などを背景として、地域は自立的経営を行うことが求められるようになった。また、NPO活動による市民の公益活動への参加など、市民主体のまちづくりも進展しつつある。住みやすく魅力的な活力ある地域をつくるには、市民が地域に対する愛着と誇りを持ち、地域の将来ビジョンを共有し、主体的にまちづくりに参画することが重要である。その際、様々なシーズを持つ地域の大学も一市民としてまちづくりに参加することが求められる。
大学の地域への関わり方としては、地域医療の提供、産学連携、生涯教育、自治体への協力など様々であるが、このような活動が担当部局ごとにばらばらに取り組まれ、大学としての総合力として発揮されない傾向も見られる。大学の地域への関わりを総合的にプロデュースすることは、地域に生きる大学の最も重要な使命のひとつである。そして、この機能を学問的な裏づけとともに担うのが「地域学」 (regional sciences)である。
地域学とは、 「地域」の「実体的空間概念」と「分析のための操作概念」という2つの定義をふまえ、地域を良くし、市民生活を向上させることを目的として、地域の中で行われる実践的学問である。 「地域」が操作概念を含む点で、特定の地域を研究する「地域研究」(area studies)とは異なり、その空間概念も人々のトータルな生活圏を指すため必ずしも既存の行政区域とは一致しない。また、地域を住民(あるいは個人)の立場から見たとき、人は複数のさまざまな「地域」に属していることがわかる。 「地域学」は「地域」をその重層性において捉えなければならない。したがって、 「地域学」はときに国家を超える広大な空間を含むこともある。つまり、多様な文化を持つ市民・市民組織による国家を超えた活動も視野に入ってくるのである。
このような地域学は、未だ学問として完成しているものではなく、今後その研究の深化と体系化が求められている分野である。そのため、地域学研究を推進するためには、同じ問題意識にもとづき教育研究活動を行う全国の地域学系の大学、学部、学科等が連携し、協働することが重要である。各大学の教育、研究、地域貢献活動の交流を通して、それぞれの大学における地域学研究の質を向上させ、わが国における地域学確立に向けて貢献するため、地域学系大学・学部等連携協議会を設立する。
平成19年9月7日
地域学系大学・学部等連携協議会
北海道教育大学教育学部函館校
山形大学地域教育文化学部
宇都宮大学国際学部
岐阜大学地域科学部
鳥取大学地域学部

