授業紹介

意思決定会計

会計は社会の共通言語である

ビジネスの世界ではよく「会計は社会の共通言語である」と言われます。それは、「会計」という仕組みを通じて得られる会計情報が、企業の様々な活動内容やその成果を的確に表現しており、様々な意思決定に活用されているからです。
一般的には会計学の学びを「簿記」から始めるケースが多く、借方、貸方といった「会計というデータベースへの入力手順」を学ぶ段階で苦労する人もいるようです。しかし、入力手順自体は会計という仕組みのごく一部であり、この点のみを以て会計に苦手意識を持つ必要はありません。会計という仕組みを通じて得られた情報を活用できるかどうかという点も重要だからです。
この授業の目的は、会計情報を活用できるようになることにあり、この科目では会計情報を意思決定に役立てる方法について表計算ソフトを利用しながら実習形式で学びます。

電卓を叩くだけが会計ではない

「会計」=「簿記」=「電卓」という認識を持っている人も多いことでしょう。しかし実際には、簿記も帳票類も電子化、デジタル化され、データのインプットよりもアウトプットされたデータをどう活かすのかに多くの時間を割くことができるようになりました。
また、会計情報は多くの人に共有されるようになり、様々な立場の人が活用できる環境へと変化してきました。データを活用するのは経理部門で働く人々だけではありません。会社でいえば様々な部署で働く人々がタイムリーに会計情報のアウトプットを利用できるようになりました。このことから、より多くの人が会計の仕組みから得た情報を自らの意思決定に活用すべき場面が増えています。

様々な科目での学びを融合する

この科目は、簿記原理、ビジネスファイナンス、会計学原理I、原価計算論といった会計・ファイナンス系科目と深い関連性があるのみならず、基礎データ処理や統計学といった科目とも強い関連性を持っています。
この授業では、例えばインターネットを通じて実際の公表財務諸表を入手し、そのデータを表計算ソフトにより分析し、企業を評価する演習を行います。あるいは、売上高と費用との関係について、表計算ソフトの回帰分析機能を用いることにより固定費と変動費とに原価分解し、損益分岐点分析を行います。また、表計算ソフトの財務関数を用いて設備投資案の比較・評価方法を学びます。

教員から一言

以上のように、他の科目で講義形式により学ぶ様々な概念について、実際のデータも用いながら自ら計算しグラフを作成し、自ら分析することを通じて、本当の意味で会計情報を意思決定に活用できる人材になって欲しいと考えています。