授業紹介

フィールドワーク入門

授業の目的と内容

この授業で何を学ぶか?

現代社会において、フィールドワークは、企業・行政・団体や研究機関など地域の様々な主体(ステークホルダー)によって実施され、地域社会の実態把握と問題点の追求、諸課題解決の可能性の検討を考える重要な方法のひとつとして位置づけられています。

本授業では、地域の様々な人々とともに地域の課題について検討するために、フィールドワークの一連の方法を学びます。地域社会の多様な実態を明らかにするために必要となる問題発見能力や調査手法、分析手法、フィールドワークに関する基本的手法などの基礎を身につけ、演習によって調査実施のノウハウを体得し、その結果をもとに、地域社会の実態を明らかにします。

 

どのように授業を進めるか?

この授業は、社会共創学部4学科の7人の教員によってオムニバス形式で進めます。授業は大きく「座学」と「演習」に分かれています。座学では、フィールド調査の方法について学び、具体的には、1. フィールドワーク全般にわたる基本事項、2. 社会調査の概要(量的調査と質的調査)の2点について学びます。フィールド調査の方法を学んだ後で、入門的なフィールドワークを実践します。学科の偏りがないように5人のグループを作り、グループの話し合いで実習先を決定します。実習先が決まったら実習計画を作成し、前半で学んだフィールド調査の方法を組み合わせ実地調査を行います。調査が完了したら報告書を作成します。フィールド調査の演習によって、「事前準備→実地調査→事後報告」の流れを学び、2年次以降のより専門的なフィールドワークに繋げます。

 

教員からひとこと

この授業でフィールド調査の方法を体系的に学んでください。特に、調査の目的や調査方法を学び、なぜそのフィールド先を調査する必要があるのか、フィールド先にはどのような課題があり、どういった調査方法を用いてその課題を解決するのか、などを把握する力を身につけてください。実際にフィールド先に行ってみて初めて分かることもありますが、事前に目的を持った調査を心がけましょう。

その一方で、座学や演習で調査の方法を学んでも、実際のフィールドに出ると想像と現実は違っていて、計画したことが思うように実施できないことがあります。また、教室の中と現場では雰囲気が異なり、学んだことが活かせないこともあります。フィールドワークはしっかり準備することが必要である一方、現場で咄嗟の対応に迫られることも多くあります。どのような場面にも順応できるように、柔軟な発想と軽いフットワークを身につけていくことにも心がけてください。

「フィールドワーク入門」に続き、2年次の前期には「フィールド実習」が始まります。本科目での学びが、地域の方々と一緒に調査や実践活動を行う下地となることを願っています。