授業紹介
基礎材料分析論
- 学科: 産業イノベーション学科
- 学年: 3年次
- 教員: 福垣内 暁
- 科目群:専門力育成科目群
授業のねらい
紙は、有機物(パルプ、高分子など)と無機物(鉱物など)で構成された複合材料です。紙の研究を行うためには、紙を構成するこれらの材料を理解することが大変重要です。材料を理解するためには、化学や材料分析の知識が必要です。特に、材料分析については、研究のみならず、企業でも大変有用な手段です。例えば、工程管理、品質保証、不具合の原因究明、工程の改善などに材料分析の知識が生かされています。本授業では、紙を構成する材料のうち、特に、無機物の特性を学ぶと同時に、有機物や無機物の固体を対象とした分析手法を学びます。分析については、まず各種分析の原理を理解し、機器に実際に触れることで、操作・解析手法を学びます。最終的には、どのような分析手法を用いれば、どのような結果が得られるのか、を理解できることを目標とします。
授業内容
本授業は、材料分析に関する基礎的な知識を獲得するために主に以下の3つの内容で構成されています。
・紙質特性分析
紙の基本特性を理解するために、紙質特性分析手法を学びます。具体的には、紙の基本的な単位である坪量や厚さ測定方法に加えて、引張強さ、サイズ度などの物理・化学的特性評価方法を学び紙の物性に対する理解を深めます。
・化学に関する基本的な知識
材料分析技術を学ぶ際に必要となる基本的な物理的・化学的な知識を学びます。具体的には、分析プローブである電磁波や電子などについての歴史的研究背景やこれらの性質・特性についての基礎知識を学びます。また、紙産業で使用される無機物の種類や特徴、光学的特性などについても学びます。
・各種分析機器
電磁波を用いた分析、電子を用いた分析、熱を用いた分析、吸着現象を用いた分析などの手法を分析原理から使用方法までを学びます。最終的には、どのような分析手法を用いれば、どのような結果が得られるのかを理解します。
教員から一言
紙産業を含めた製造業にとって、材料分析の知識は、製品開発、工程管理、品質保証、不具合の原因究明、工程の改善の観点から大変重要です。本授業で学ぶ様々な基礎的な分析技術は研究にはもちろん、卒業後の進路に必ず役に立つと信じています。材料分析に興味のある学生の受講をお待ちしております。
- 実際に機器を操作している様子
- 分析結果を確認している様子