授業紹介

プロジェクト基礎演習

  • 学科:
  • 学年:
  • 教員: 榊原 正幸、松村 暢彦、二神 透、羽鳥 剛史、ネトラ・プラカシュ・バンダリ、入江 賀子、ルプレヒト・クリストフ、李 賢映、渡邉 敬逸、片岡 由香、徳岡 良則
  • 科目群:

自然環境や地域に関わるプロジェクトをチームで企画する

授業の内容

「プロジェクト基礎演習」は、1、2年生のこれまでの授業(フィールド実習や地域調査方法入門など)で学んできた地域のステークホルダーとのディスカッションやフィールド調査を行う能力を活かして、自然環境や地域に関わるテーマにチームで取り組み、プロジェクト企画をまとめます。チームは環境デザイン学科の教員1名と3~4名の学生、地域の方々から構成され、2年生の後期4ヶ月間取り組みます。

自分たちでプロジェクトを設定する

平成29年度は「石手川ダムでの新アクティビティの提案」「八幡浜に新たな居場所を創ろう」「地震火災延焼シミュレーターを用いた小学生の防災意識調査」「西予ジオパークのあり方を考える」「愛媛県における無住化集落の現状と課題」など自然環境や地域活性化に関わるプロジェクトに取り組みました。ただし、これらのテーマも最初から与えられているわけではなく、試行錯誤のたまものです。プロジェクトとしてまとめるまでには、どこから切り込むのか、何を調べるのかについてチームの中で話し合いながら、役割分担を決めて一人一人が責任を果たすことがチームとして機能するために大切になります。

たとえば、石手川ダムのチームだと「石手川ダムを市民にもっと身近に感じてもらう」という曖昧なテーマからスタートしました。そこから、社会基盤施設としてのダムの専門的知識を身に付け、石手川ダム管理事務所に話を聞いたり、ダム湖の周辺をフィールド調査したり、全国のダムの利活用の事例を調べたりしながら、石手川ダムの水、森の自然環境と巨大構造物にひそむ非日常性を演出するプロジェクト「ダム×遊び=非日常性」を企画しました。最初の頃はダムに対して興味がなかった学生たちでしたが、調べていくうちにダムに関わる人達の熱い思いや自然環境の奥深さに感化され、だんだんとテーマに対する熱量を上げていきました。最後には、「自分たちがやらないと」という使命感を背負いながら、一人称でプロジェクトを語れるようになりました。

自分たちの思いを伝える

たくさんの質問者に囲まれて、一生懸命答えようとする学生

各チームでまとめられたプロジェクト企画をポスターセッション形式で発表会を行います。自分たちのプロジェクトに対する思い(熱量)を伝え、他の専門領域の教員と意見交換を行うことによって、さらに企画を深めていくことができます。ポスターはA1サイズの限られた紙面なので、4ヶ月間の活動プロセスを時系列で書くのではなく、プロジェクトのポイントを絞ることが大切になってきます。

 

自分たちの学びを振り返る

ポスターセッションのあとは、「プロジェクト基礎演習」の学びを振り返るワークショップを行います。実践型授業でせっかく直接的な経験をしても、それに満足しているだけでは学びの効果は期待できません。その経験を言語化して他の人に伝え、さらに自分の経験がどんな学びに結び付いたのか内省化することではじめて、次の新たな取り組みに活きます。そこでは、「自分のテーマと役割を見つけることができてからチームメンバーがお互いに認め合えたような気がする。チームワークとはこんな感じかもしれないと実感した。」「ヒアリングで事前に十分調べていったことで当日、自分たちが知らないことをたくさん聞くことができた。だから余計に地域で活動される方のすごさを感じることができた。」「地域のために活動している人の話を目の前ではじめて聞くことができた。この人を動かすモノの大きさ、熱さに感動した。」などたくさんの意見を共有することができました。こうした学びが3年生のプロジェクト実践演習につながり、将来の自分の生き方の原点になることを期待しています。