授業紹介
プロジェクト基礎演習
- 学科: 産業イノベーション学科
- 学年: 2年次
- 教員: 産業イノベーション学科教員
- 科目群:実践力育成科目群
プロジェクト演習は、地域のステークホルダーと協働して問題解決に取り組む科目です。2年生後学期から「プロジェクト基礎演習」として始まり、3年生前後学期にそれぞれ「プロジェクト実践演習」、「プロジェクト応用演習」と1年半という長期間で個人またはグループで課題に取り組みます。
ものづくりコース
プロジェクト基礎演習は、様々なステークホルダーと交流し、課題を見つけ、その解決方法について企画書作成までを実施しています。何より難しいことは、課題を設定することです。2年次ではまだ深い専門知識は身に付いていません。そのため、学生自身が「課題を解決できるのだろうか」と心配して前に踏み出す勇気がなく、課題が設定できない状況でした。そこで、課題が簡単に解決できないから問題となっていることに気付かせ、考えること、行動すること、失敗して経験を積むこと、高い成果を追求しないこと、解決の方策を生み出す一連の流れを経験することをしっかり伝え、そのことが理解できたとき、学生らは殻を少しずつ破り始め、目が輝き、活発な行動へと転身していきました。
紙産業コース
紙産業コースのプロジェクト系科目では、新しい紙製品の提案・製造を目標とし、抄紙や分析に関する基礎技術の習得から始まり、既存紙製品の調査、紙製品の設計へとステップアップしていきます。
最初の科目となる「プロジェクト基礎演習」では、製品作りの基礎となる紙抄きと化学分析に挑戦しました。紙抄きや化学分析では、原料の測り方から仕込み方、紙の抄き方または分析方法に至るまで、同じように作業を行わないと結果がばらついてしまうため、常に、作業の意味を考えながら行動することが必要です。この実習を通じて、安定して製品を作ることや分析することの難しさを体感することで、実際の製造現場での取り組みの意味や重要さをより理解することができます。
3年次には活動拠点を四国中央市に移し、製紙や紙加工の現場で紙製品の製造技術や新製品へのニーズを学びつつ、求められる紙製品を生み出すための技術や思考力を更に高めていきます。
海洋水産科学コース
海洋生産科学コースのプロジェクト系科目では、水産養殖が盛んである愛媛県南予地域を中心に、水産業が果たす役割と問題点について考え、実習で体験した実学知識をもとに改善策を自ら考案することを目標としています。
本コースのプロジェクト基礎演習は、愛南町南予水産研究センターでの集中講義として実施しています。水産の基礎となる、魚類を用いた実習では、生魚から血液等の採取や血液成分の測定などを行い、魚類の生理学特性について学んでいきます。また、魚類を実際に自ら解剖し、外観、内臓および骨格を体感しながら詳細にスケッチを行うことで、魚類の生物学的な知識を深めていきます。さらに、愛南町を中心に活動しているステークホルダーと、講演会などを通じて交流することにより、水産業の役割や問題について学びつつ、地域水産業の諸課題解決に導く実践的な能力を身に付けていきます。