授業紹介

プロジェクト実践演習(産業マネジメント学科)

科目の概要

産業マネジメント学科では、プロジェクト基礎演習(2年次後学期)、プロジェクト実践演習(3年次前学期)、プロジェクト応用演習(3年次後学期)を必修科目として開講しています。これらは、一貫した指導教員の下で調査、研究するいわゆる「ゼミナール(ゼミ)」と呼ばれる少人数科目です。4年次になると、引き続きこのゼミの指導教員の下で卒業論文を執筆することになります。

プロジェクト演習における社会共創学部らしさ

一般的に大学のゼミの多くは、担当教員が募集する研究テーマについて座学を通じて専門知識を深めることに重点を置きますが、社会共創学部のプロジェクト演習は専門知識を修得することに加えて、課題発見・解決のために必要となる調査・分析力や思考・判断力を高め、それらに基づいて地域社会の課題解決について提言できるようになることを目指しています。

産業マネジメント学科の「ゼミ」

2021年度の場合、各ゼミ6人程度の学生が指導教員の下、プレゼンテーションやディスカッションを繰り返しながら必要な専門知識を身に付けると同時に、企業や地域の課題解決に貢献できる応用的・実践的なプロジェクトに取り組んでいます。過去のプロジェクトには例えば次のようなものがあります。

 

  • 『身近な問題や人間の行動を『行動経済学』の視点で考える』
  • 『人的資源マネジメントやキャリア形成を通して、経営を長期視点で考える』
  • 『テキストマイニングによる道後宿泊施設のクチコミ分析と顧客満足の向上への提案』
  • 『地方創生に向けた人口減少から見る愛媛県の地域活性化策』
  • 『サテライトオフィスを活用した地方都市の企業誘致の可能性』
  • 『文科系人材によるPythonの活用と実装』
  • 『最終提案ゲームを用いた、マネープライミング効果に関する研究』

2021年度の例

ここでプロジェクト実践演習の具体例をひとつ取り上げて紹介しましょう。西村勝志・岡本直之合同ゼミでは、四国旅客鉄道株式会社(JR四国)と連携した旅行商品の企画に取り組んでいます。

「〇さいくる〇」チーム 旅行プランの実地調査

2020年10月(2年次後学期)の「プロジェクト基礎演習」の時点で、1チーム3人程度の4つのチームを編成し、愛媛県の東予・中予・南予を舞台に、地元の人たちにヒアリングをしたり、関連する文献やデータを調べたりしながら、地域振興を見据えた魅力的な旅行プランづくりに取り組み始めました。2021年3月には、四国4国立大学(徳島大学、香川大学、高知大学、愛媛大学)およびJR四国本社をオンラインで結び、JR四国の方々や他大学の教員、学生の前で中間報告と意見交換を行いました。

 

 

 

「親子で食育!」チーム 旅行プランの実地調査

そこでの指摘や改善提案を受けて、2021年4月(3年次前学期)からの「プロジェクト実践演習」では、それぞれのチームで引き続きヒアリングや調査を重ねながら旅行プランのブラッシュ・アップを進めました。2020年度から2021年度にかけては新型コロナ禍ということもあり、オンラインのみでのゼミ開講、ヒアリング調査といった時期も何度かありましたが、7月には学内審査により2チームを選抜しました。

そして9月には四国4国立大学およびJR四国本社をオンラインで結んで最終審査会を開催し、JR四国の方々や関係官公庁、企業の方々といった審査員の前で4大学からの選抜チームがプランを発表しました。愛媛大学からの2チームのプランは銅賞と佳作に選ばれましたが、これらも含め4大学からの8つのプランは今後それぞれがさらに磨きをかけた上で、2022年春にはJR四国から「地域観光チャレンジツアー」というツアー商品として実際に販売されます。

 

「がいなまち宇和島」チーム 学内審査会発表

「~和紙から感じる古き良き内子~」チーム 銅賞受賞

参考リンク(今回の旅行プランの販売が開始されるまでは過去の受賞ツアーが表示されます):https://www.jr-eki.com/data/shikokuuni/index.html