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2018.05.22 研究

山本直史准教授を含む共同チームの研究が学術誌「BMC Public Health」の電子版に公表されました【2018年4月23日(月)】

このたび、社会共創学部地域資源マネジメント学科スポーツ健康マネジメントコースの山本直史准教授を含む愛媛大学社会共創学部、新潟大学、鹿屋体育大学などの共同チームが、1日の歩数が多い高齢者は総死亡リスクが低いことを示唆する研究論文を発表しました。研究論文は平成30年4月23日に学術誌「BMC Public Health」の電子版に公表されました。
研究概要は以下の通りです。

【1日の歩数が多い高齢者は総死亡リスクが低いことを示唆】

図:身体活動と運動の位置づけ 運動量(ウォーキングなど)もとても重要な指標ですが、1日全体の身体活動量(歩数など)も健康と関連するとても重要な指標です。

これまでの研究は高齢者の日常的な歩行活動を主観的なアンケートによって評価しています。
しかしながら、ウォーキングなどの運動に比べて、日常的な歩行活動や歩行を伴う活動は覚えておくことが難しいことから、主観的なアンケートでは1日全体の歩行活動を正確に評価することが困難であることが指摘されています。そこで、今回は客観的に歩行活動を評価する手段として歩数計を用いて、歩数と全死亡リスクとの関連を検討しました。その結果、約10年間の追跡期間において歩数の多い高齢者(8000歩/日以上)は歩数の少ない高齢者(4500歩/日未満)の人たちと比較して有意に死亡リスクが低いことが明らかになりました。本研究の結果は、運動のみならず日常的な活動も含めて高い水準の歩数を確保することが長寿につながる可能性を示唆しています。

歩行活動は1日の身体活動の大半を占めます。ヒトの身体活動は個人要因だけではなく、個人間要因、組織要因、環境要因、政策要因など様々な要因の影響を受けます。そのため、これまで身体活動の充足は個人の努力に委ねられる傾向にありましたが、最近では環境づくり、まちづくりなど他部門との協動で身体活動不足問題に取り組む必要性が指摘されています。研究を行った山本直史准教授は、様々な研究バックグラウンドを持つ教員が所属する社会共創学部において「身体活動を実施しやすい・知らないうちに実施してしまうようなアクティブ社会」の創造に向けて、協働で取り組んでいく予定です。

なお、本研究論文はインパクトの高い海外論文を紹介する医療従事者向けのサイト「CareNet」で紹介され、デイリーアクセス、およびウィークリーアクセス数1位を獲得するなど、高い注目を集めました。

 

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