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2019.12.26 教育研究

【2019年12月15日(日)】第1回ディスカッション・セミナーを開催しました

2019年12月15日(日)、愛媛大学社会共創学部ラーニングコモンズ2において、第1回となるディスカッション・セミナーを開催しました。筑紫女学園大学の上村真仁さんを講師に招き、教員4人、学生2人、職員3人、ステークホルダー5人の参加の下、2019年度最初の活発な議論が行われました。初めに上村さんから、「地域産業の創生による持続可能な地域づくり:石垣島におけるイトバショウ和紙」と題して話題提供をいただきました。石垣島最大の耕地面積をもつ農村の白保集落では、移住者や観光客が多くなったが、サンゴ礁や伝統文化、集落での生活を守るため、NPO法人が次世代育成を目指した環境教育を実施し、立入禁止区域など細かく注意書きの入ったガイドマップも作成しています。また、修学旅行や学生の農業体験を受け入れ、畑の赤土が海へ流出するのを防ぐためグリーンベルト(防風林)としてイトバショウ・ゲットウ(月桃)を植えています。地域の活性化にイトバショウを活用できないか、お弁当のお皿や草木染めの技術の活用など試行錯誤しているなどの話題提供がありました。
続いて、社会共創学部産業イノベーション学科の福垣内暁さんから、「愛媛のバショウ和紙の特徴やイトバショウを使った和紙」と題して、話題提供がありました。セルロースナノファイバーが多く含まれている芭蕉和紙は、染色性が高く、にじまない、水を通さない、よく伸びる等の特性があり、振動板としても活用できます。イトバショウもセルロースナノファイバーが含まれており、愛媛の芭蕉和紙と同様の特性を有する和紙を創れることが判明したなど地域間交流による商品開発の可能性の提案がありました。
その後に、2グループに分かれての行われたディスカッションでは、各グループに教員がファシリテーターとして入り、イトバショウと芭蕉和紙の環境保全を念頭に置いた商品開発や地域活性化について、具体的な課題を抽出し、有意義なセミナーになりました。

【商品開発】
・イトバショウには祭り、防風、サンゴ礁保全という物語があり、その物語が息づく商品開発をする。
・文具・紙産業など外からのアイデアを入れ、商品開発をする。
・大量生産を必要としない高付加価値の商品→アクセサリー・マイバッグなど
・工業用品・原材料だけでなく、製品の提供
・プロ用の紙(芸術・書道)、賞状、和傘、うちわ
・高級和菓子・みかんなどの包装紙、ランプシェード
・愛媛の芭蕉和紙は包装紙として活用・内子の和蝋燭(伝統産業)とコラボ
・凧、提灯、歌舞伎の隈取など
・陶器の代替品としての食器(軽量かつ透明の特性を生かす)
・プラスティックの代わりとなる固い素材
【地域活性化】
・「マイイトバショウ」自分の芭蕉を植えてサンゴを守る、4~5年たった時に切り倒し製品化する
・町づくり会社の形で地域再生に活用する
・インバウンド対象に活用する
【課題】
・「誰が、どこで繊維をつくるか」
  大量生産はすぐには難しい→すでに地域にある技術とのコラボ→草木染
  必要とするだけの芭蕉和紙を自分たちで作り、活用する
・「薬品処理の排水をどうするか」
  排水処理の技術をもつ企業などと提携する(染色、化学工場、排水処理など)
・和紙を中心とした活用だけでなく、芭蕉から取れる水など、他の資源としての活用も検討すべきである
・付加価値をどのようにつけていくか、繊維の活用の方向性を検討する