お知らせ詳細

2022.02.16 研究

「えひめ棚田・段畑シンポジウム2022」を開催しました【2022年2月7日】

この度、愛媛県内の中山間地域の地域資源である棚田・段畑の取り組みについて、農林水産省中国四国農政局、愛媛県庁、JA愛媛中央会、公益財団法人えひめ地域政策研究センターの後援を得て、「えひめ棚田・段畑シンポジウム2022」を開催しました。本シンポジウムはオンラインでの開催となりましたが、近隣の中四国地域にとどまらず全国の様々な地域から約80名の方の参加がありました。実際に地域で保存活動をしている方々からは、景観的にすぐれた地域を守っていくことの大変さについてお話しいただきました。

まず始めに、開催趣旨説明として地域資源マネジメント学科農山漁村マネジメントコースの竹島久美子助教から愛媛県の棚田・段畑の概要について説明され、中四国農政局愛媛県拠点の坂井一夫地方参事官からは、「中山間地域等直接支払制度・棚田振興法・関連施策の概要について」と題して、共同活動を通じた農地保全に取り組むことへの政策的支援や、人口減少が進む中で地域の暮らしを支えるための仕組みづくりに取り組むための支援策についてお話しいただきました。また、環境デザイン学科入江賀子准教授からは、社会共創学部のカリキュラムであるプロジェクト演習において過去の指導学生が取り組んだ「大洲市樫谷棚田の棚田オーナー制度に関する研究」について報告されました。

続いて、事例報告として県内の3地域から報告いただきました。「大洲市戒川の樫谷棚田」については、樫谷棚田保存会の城本誠一氏から、「宇和島市遊子水荷浦の段畑」については、NPO法人段畑を守ろう会の上田慎一郎氏から、「奥松瀬川創生会議の取り組み」については、東温市奥松瀬川地区集落支援員の森田将史氏から、それぞれ地域の棚田・段畑の保存活動や地域活性化に向けた取り組み、政策の活用状況などについてご報告をいただきました。

最後に、中四国農政局農村振興部柵木環部長にも加わっていただき、松野町奥内の棚田保存会の井上一弥氏に話題を提供していただきながら、登壇者全員でパネルディスカッションを行いました。

今回の取組について、竹島助教は「中山間地域の棚田や段畑を守っていく活動について、地域内だけでは担い手不足感を解消するのはとても困難であるが、都市住民との交流や活動団体間での情報共有の機会を設けて、持続可能な形での活動を今後も考えていきたい。」と振り返りました。