研究紹介

芭蕉和紙の開発

  • 教員: 福垣内 暁
  • 学科:
  • キーワード: バショウ、芭蕉和紙、セルロースナノファイバー、染色

はじめに

みなさんは“バショウ”という植物をご存知でしょうか。愛媛県では南予地方に多く植生しており、特に大洲、内子地方ではお盆の棚飾り用に大きなバショウの葉が利用されています(写真1参照)。しかしお盆が終わると、バショウは切り倒され廃棄されてしまいます。そこで私たちは、廃棄されているバショウの茎に着目し、茎の繊維化に取り組みました。得られた繊維をステンレスメッシュで漉いたところ、太い繊維と細い繊維が織り交ざった薄く滑らかな風合いの紙が出来上がることが分かりました。私たちはそれを“芭蕉和紙”と命名し、和紙産業が盛んな南予地方の新たな伝統産業とすべく芭蕉和紙の研究・普及活動に取り組んでいます。

研究の概要

芭蕉和紙についての研究をすすめていくと、芭蕉和紙には興味深い以下の特徴があることが判明しました。
〇透明性:和紙の一部分が透明であることが判明しました。詳しく分析すると、透明な部分は、セルロースナノファイバー(CNF)であることがわかりました。芭蕉繊維にはCNFが含まれているため薄くても丈夫な紙となっていることが分かりました。
〇染色性:繊維が細いことから染料の色を損なわずに染色させることができました。染色前の芭蕉和紙は薄い黄色ですが、様々な色で染めることで、用途に応じた使い分けが可能になると考えています。
〇にじまない:細い繊維で構成されているため、墨で書いてもにじまない特徴があることが分かりました。
今後はこれらの特徴について化学的な視点からの裏付けを行うとともに、県内企業と芭蕉和紙を用いた製品開発にも取り組んで行く予定です。