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報告書

音響法によるアボカド軟化検出技術の開発:農家の目利きとの比較

2025年12月8日(月)にサイボウズ松山オフィスで行ったイベントでは、生産者であっても品種や室温により適熟タイミングの判断はケースバイケースであることや、果実内部でも成熟むらがあることが紹介され、改めてアボカドの品質の見極めが難しいことが共有された。小売業の立場では国産アボカドの課題について、安定したロット数確保が難しいことが課題として提起された。料理家の立場からは、アボカド全般について、仕入れ時に適熟のアボカドをある程度のロット数で入手できないこと、熟度判断の難しさが食材としての難しさとして語られ、さらにアボカドカット冷凍商品の活用なども紹介された。

どの立場からも、アボカドの熟度(品質)判定のニーズの高さが改めて認識でき、早期の実用化を望む声があった。本研究課題の成果を公表していくとともに、試作機を現場に早期に導入することの必要性が認識できた。

アボカドトークイベントの様子

開発中の音響法は、既存の打音式、振動式、音速計測式、エアパフ法(微小変形)とは異なり、音の反射係数に着目するもので、叩く・振動させる・空気圧を与えるということがないため、生体試料への影響が限りなく小さいことが特徴である。2025年9月までは標準物質としてのウレタンフォームの反射係数がシミュレーションと一致することを確認し、計測ならびに計算の妥当性を確かめた。同年10月以降はアボカド果実の反射係数を統計的に解析し、人が触ったときの感触により、軟化したものを壊さずに識別できる可能性を見出した(t検定でp<0.05)。なお、このときの正常と軟化の弾性率は平均値で1桁差があることが確認された。さらに、反射係数の違いの要因として、果皮と果肉を分離して反射係数を取得したところ、果皮だけでも違いが見られたことから、反射係数の違いは果皮に由来している可能性が高いと示唆された。

次年度以降は、サンプル数を拡大して本結果の再現性を確認するとともに、積層体としてのシミュレーションにより結果の妥当性を確認する。また、外部資金等研究費次第により装置開発に着手する。

アボカド音響測定の様子

 

代表者:小長谷 圭志(産業イノベーション学科)