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2025.08.26 行事

愛媛大学社会共創学部創立10周年記念行事を開催しました【2025年8月22日(金)】

社会共創学部創立10周年記念行事を、2025年8月22日(金)に愛媛県県民文化会館にて開催し、330人の方々に参加いただきました。

まず、愛媛大学仁科弘重学長による挨拶から始まり、仁科学長からは、社会共創学部設置の議論が始まった当時、政府においても地方創生が本格的に動き出していたことが紹介されました。愛媛大学はこれに先駆けて県内全20市町と連携協力を締結し、地域の特性に応じた地域密着型センターを設置するなど、独自の戦略を展開してきました。こうした活動の中心を担ってきたのが社会共創学部の教員であり、多様な専門分野を有する学部として、「地方創生2.0基本構想」が掲げる時代において、その社会的役割への期待が一層高まっていることが語られました。

続いて社会共創学部松村暢彦学部長から、本学部の教育・研究活動について説明がありました。社会共創学部は、地域社会の持続可能な発展を牽引する「未来創造型人材」の育成を目指し、分野横断的な知識・技術と地域の特性を生かした多様な実践プログラムを導入しています。学生は1年次からフィールドワークや地域プロジェクトに取り組み、その成果を電子ポートフォリオで記録・振り返ることで学びを深めます。教育分野は経済・経営、理工、人文、社会、農学、環境、体育など多岐にわたり、学際的な学びの場を提供しています。さらに研究活動においても着実な成果を挙げており、この10年間で48件の学会・協会賞を受賞するなど高い評価を得ています。今後も地域やステークホルダーと連携しながら、実践的な教育と研究を精力的に推進していくことが述べられました。

次に、本記念行事のメイン企画である「えひめのミライ」を考えるワークショップを行いました。 参加者が5~6人のグループに分かれ、「シナリオ分析」という手法を用いて未来のえひめについて議論しました。シナリオ分析とは、将来起こりうるさまざまな状況を想定し、特定の条件下でどのような未来が展開するかを考える方法です。今回はモビリティ、災害、労働など9つの軸から2つを選び、組み合わせによって生まれる4つのシナリオをグループで議論しました。各グループでは在学生がファシリテーターを務め、高校生、大学生、社会人、地域ステークホルダー、教員といった多様な立場の参加者が自由に意見を出し合い、世代や専門を超えた交流の場となりました。最初は進め方に戸惑う様子も見られましたが、要領を得ると議論は一気に盛り上がり、模造紙いっぱいにアイデアや意見が広がりました。参加者からは「普段使わない脳を使った感覚で新鮮だった」「とても良い手法を学んだので職場でも共有したい」といった前向きな感想が寄せられました。

最後に、 社会共創カウンシル委員西山隆彦氏(愛媛県企画振興部政策企画局長)より、閉会の挨拶をいただきました。記念事業にワークショップを取り入れた斬新さに触れ、シナリオ分析を通して未来を多角的に考える重要性を説かれました。また、地域創生がますます求められる現代社会において、社会共創学部が育成する未来創造型人材への期待の高さを述べられました。学部の使命と地域社会との連携の意義が改めて示される挨拶となりました。