お知らせ詳細

2018.12.17 行事

まちと文化とアートの学校を開催しました【2018年12月15日(土)】

松山アートまちづくり寄附講座内に設置した「松山ブンカ・ラボ」では、『まちと文化とアートの学校』を平成30年度、3回にわたり実施します。第1回目は、「アートは社会の役に立つのか?」をテーマに、一般市民36名参加の下開催しました。

はじめに戸舘助教が、アートはすぐに役立つものではない、という視点を論点としてそのあり方、関わり方をどう考えるか。これまでの政策、歴史的背景などの視点を含め複合的視点で考えていくことが参考になると話題提供しました。

戸舘助教による話題提供

例えば、専門家が手を加えることで大衆化、純粋化されうる限界芸術(われわれの生活に密接に関わるもの)は基礎科学と関連づけて考えることが可能です。基礎科学にあたる、限界芸術が、応用科学にあたる純粋芸術あるいは大衆芸術にどう変化してきたのかを対比しながら考えることは、アートが社会の役に立つかということを議論する上で大変参考になります。つまり、純粋・大衆芸術のルーツである限界芸術(=生活)のあり方をわれわれがどう考えるかが重要な視点になるというものです。

後半では、アートの社会における役割とは何か、を議論の切り口として、昨今強調されがちな経済性、効率性との関係も捉えながら、参加者全員でディスカッションしました。

ディスカッションでは、アートの役割、価値をどう考えるかは、当事者とアートとの関係によりさまざまであり、例えば、公共施設の料金設定はどう考えられるのかなど、その関係は、大きくは当事者の受動的姿勢、能動的姿勢により区分けすることができる、などといった議論が展開されました。その上で、当事者たるわれわれは何をどう考え行動すべきなのでしょうか。

次回は、「草の根の居場所づくり」と題し、文化交流施設を開設し、地域社会に密接した様々な実践活動を展開する浦岡雄介氏を招き、更なる議論を展開する予定です。

 

参加者によるディスカッション