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報告書

社会共創学部における生成AI活用の可能性:日本と中国における国際的実践研究

 現在、ChatGPTに代表される生成AIを開発・利用するための教育が必要とされると同時に、そのリスクへの対応にも関心が高まっています。本プロジェクトでは、大学生や教員による生成AIの利用状況を把握し、今後の大学における教育内容や研究方法等を調査することを目標としました。その一環として、大学生や教員に対するアンケート調査(日本人学生および教員729人、中国人学生146人)、ならびにインタビュー調査(日本人学生12人、外国人学生7人、外国人教員3人)を実施しました。

その結果、日本の大学生の9割以上が生成AIを利用しており、課題の情報収集などで利便性を実感していることが分かりました。しかしその一方で、大学の生成AIに関する利用規定やガイドラインを十分に把握せずに使っている場合があることや、自身の思考力低下への懸念、回答の正確性および一貫性の欠如に対する不安を抱いている実態が浮き彫りになりました。
他方、外国人学生へのインタビュー調査では、AIを使うべき場面とそうでない場面の線引きを明確に意識しているとの回答が得られました。また、他の情報源を用いて生成AIの回答結果の裏付けを行うなど、倫理面を意識した慎重な姿勢も見られました。国内外の教員への調査においても、AIへの依存による学生の思考力低下を懸念する声が挙がっており、実際の講義を通じてAIの適切な利用方法やリスクを指導していく必要性が指摘されています。

これらの結果を踏まえると、AIを一律に禁止するのではなく、学生の批判的・論理的思考力(クリティカルシンキング・ロジカルシンキング)を養い、AIを柔軟かつ適切に活用できる判断力を育むための「教育のアップデート」が求められていることが示唆されます。なお、本研究成果の一部はすでに論文として投稿されており、今後は日本と中国の学生の回答をさらに比較分析していく予定です。

 

代表者:折戸 洋子(産業マネジメント学科)