研究紹介

経営工学=経営活動の合理化と効率化を図る実践的かつ定量的研究手法

研究の特色 論理的思考力と定量的研究をツールに

よい地域社会を創るには、多くの地域課題に真剣に取り組む必要があります。特に産業の持続的な発展、質の高い経済活動・経営活動は人々の生活基盤となり、地域産業の振興や経済の活性化にとって必要不可欠です。
社会環境が大きく変わっています。情報化社会が進み、ICT、IoT、AIが産業、人々の生活に大きな影響を与えています。
一方、少子高齢化や競争の激化が進む中、企業は生き残りをかけて、付加価値の高い製品やサービスを市場に提供しなければなりません。競争力を高めるには、製品やサービスの一層の品質向上、コスト削減が求められています。
経営工学は企業・行政の管理・運営・意思決定において、論理的思考方法と数理的アプローチを用いて、問題の本質を把握し、科学的、定量的な解決策を提示します。従来の経験と勘ではなく、情報データを迅速に収集・分析したうえ、科学的根拠に基づいて経営活動の最適化を図ります。
近年、本研究室では、主に以下の教育研究を行っています。
(1)地域企業の生産性を高めるための方策の調査研究
(2)企業の生産管理・物流の合理化と効率化を図る管理技術・数理モデルの研究
(3)数理・情報に基づいて地域社会の運営の合理化と最適化の探究

研究の魅力 文系と理系、理論と実践を融合に

日本の高等教育は、文系と理系学部の間に垣根が高く、文理融合教育が諸外国と比べて脆弱です。情報化や産業・技術の融合が進む中、企業経営における合理的な判断に、文系と理系の知識の融合の必要性と重要性が増しているにも関わらず、文系・理系両方の知識と理解を併せ持つ人材が不足しており、国際競争の上で不利になると指摘されています。
経営工学は国内数少ない文理融合の分野の1つであり、経営の諸課題(社会科学系)を対象に、論理的思考方法と数理情報技術(理工系)を用いて研究する文理融合の技術です。時代の進歩とともに、経営の諸課題と数理情報技術も常に進化しているので、国内や海外のビジネス現場の実務情報に関心を持ち、経営工学の理論と実践の融合を図ります。