社会共創コンテスト

社会共創コンテスト2020

お知らせ

2020年7月18日(土)に開催を予定しておりました「社会共創コンテスト2020表彰式」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため、受賞者及び関係者の皆さまの安全確保を最優先に考慮した結果、中止とさせていただきました。
このたび受賞された皆さまにつきましては、ここで発表させていただくとともに、後日表彰状を送付することで、表彰に代えさせていただきます。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
これより、結果発表に先立ちまして、主催者代表よりご挨拶申し上げます。

主催者挨拶

愛媛大学長 大橋 裕一

愛媛大学長 大橋 裕一

今、「新型コロナウイルス感染症」が世界を席捲し、人々を混乱と不安に陥れていますが、わが国においても都市部を中心に第二波への懸念が拭いきれないところです。 そのような状況の中、今回、「社会共創コンテスト2020」が無事に実施できたことにつきまして、応募いただいた多くの高校生の皆さまをはじめ、ご指導をされました先生方、本コンテスト関係者の皆さま方の温かいご支援とご尽力に心よりの感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

さて、「愛媛大学社会共創学部」も、今年で創設から5年目を迎え、今春には第一期生177名が社会へと旅立っていきました。今後は、社会共創学部の行動理念であります「共創=地域と共に新しいものを創っていく姿勢」の精神を発揮し、地域創生に寄与してくれるものと大いに期待いたしております。 この社会共創学部には、「時代に応じた新たな価値の創生を通じて、地域活性化のあり方を教育・研究すること」を目的に、伊予銀行様のご支援により、「社会共創学(伊予銀行)寄附講座」が設置されていますが、前述した「共創」という行動理念を高校での学びにも広げたいという強い思いから、その活動の一環として、この「社会共創コンテスト」を共同で実施しているところです。

4回目を迎える今回は、新型コロナウイルス感染症の影響により、応募数が激減するのではないかと危惧いたしておりましたが、例年と遜色のない225件ものご応募をいただくことができました。いずれも課題解決に立ち向かう意欲に満ち溢れており、独創的なアイデアの中、地域に対する強い思いを感じさせる作品ばかりでした。 審査結果を受けまして、7月18日(土)に「社会共創コンテスト2020表彰式」の開催を予定しておりましたが、皆さま方の安全を考慮して残念ながら中止とさせていただきました。主催者側の苦渋の決断にご理解をいただければ幸いです。なお、表彰作品の概要につきましては、大学のホームページ上で審査コメントとともにご閲覧いただけます。高校生の皆さんの素晴らしい研究成果をウェブ上でお楽しみください。

最後になりましたが、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息と、皆さまのご健勝を心より祈念し、私からの挨拶とさせていただきます。

株式会社伊予銀行 取締役頭取 三好 賢治

株式会社伊予銀行 取締役頭取 三好 賢治

まず初めに、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、「社会共創コンテスト2020」が開催できましたこと、主催者側を代表して感謝を申し上げます。応募いただいた高校生の皆さま、ご尽力いただいた関係者の皆さま、誠にありがとうございました。7月18日に開催を予定しておりました「社会共創コンテスト2020表彰式」は新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて中止とさせていただきました。私も皆さまにお会いできるのを楽しみにしていたので残念でなりません。一日も早く新型コロナウイルス感染症が終息することを願っております。

さて当行は「潤いと活力ある地域の明日を創る」ことを企業理念に掲げ、これまで地域と共存共栄する活動を行ってきました。これは、社会共創学部が掲げる「共創(地域と共に新しいものを創っていく姿勢)」という行動理念と同じ考え方であります。愛媛大学におかれてましては、2016年4月に社会共創学部に「社会共創学(伊予銀行)寄附講座」を設置され、その活動の一つとして「社会共創コンテスト」を開催してこられました。

今回4回目を迎えた「社会共創コンテスト2020」は、新型コロナウイルス感染症の影響で思うような研究・活動が出来ない中、全国から225件という大変多くの応募がございました。厳しい環境下において、高校生の皆さまが地域課題に立ち向かい、先生方や仲間、地域のステークホルダーと「共」に地域社会を「創」り上げようとする熱い想いが伝わってきて、大変うれしく、また、心強く感じました。

地域社会が今後も持続していくためには地域経済の活性化が必要ですが、そのためには「地域創生の基盤をなす人財を育て活かす」ことが重要であると考えています。「社会共創コンテスト」は若い高校生の皆さまが身近な地域課題に主体的に向き合い、その解決に向けて取り組む大変意義のあるものであると考えています。

我々は今回、未知なる新型ウイルスの脅威によって、身近な学校や職場、地域社会、広くは国際社会が分断され、日常的な営みや経済活動などの多くが停止してしまいました。まさにSDGsが願う「持続可能性」が崩れようとしているわけですが、こういった時こそ、行政や大学、事業者、市民など、地域を構成するすべてのステークホルダーのパワーを集結し、この危機を乗り越えていかなければなりません。 若い皆さまが中心となって、この危機に立ち向かい、地域に新たな経済価値を創造されていくことを祈念いたしまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。

 

社会共創コンテスト2020結果発表

「社会共創コンテスト2020」にたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
地域の発展を願う高校生からユニークなアイデアが集まりました。
その素晴らしい応募作品の中から、見事入賞された21作品を発表いたします。

GRAND PRIZEグランプリ

地域課題部門

西条の青パパイヤを全国へ発信! ~パパイヤ活用法と努力の軌跡~
眞鍋 薫音 青野 百々果 明日 実来 白川 ゆりあ 青野 加子 髙橋 日菜 深澤 聖奈[愛媛県立西条農業高等学校]

研究・探究部門

環境要因を用いた真珠の調色と真珠の加熱方法
須田 羽未 引野 稜子 梶原 綺良 武田 咲都[愛媛県立宇和島東高等学校]

SECOND PRIZE準グランプリ

地域課題部門

災害時要配慮者に対応した災害食の研究~食物アレルギーからの第一歩~
飯尾 光 伊藤 優花 大濱 愛花 三宅 愛[愛媛県立西条高等学校]
抹茶REVOLUTION ~岡山に抹茶の新たな歴史を~
山本 璃音 中山 雪那 甲斐 美咲[倉敷翠松高等学校]

研究・探究部門

誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて―聴覚障がい者の視点から、意識調査を通して―
池田 理奈[愛媛県立松山聾学校]

SPECIAL PRIZE特別賞

学生審査員賞

夢島プロジェクト『高校生による地域活性化』 ー 人と繋がることで見えてきたこと ー
山田 彩乃[愛媛県立弓削高等学校]

クリエイター賞

高校の廃校が地域にどのような影響を与えるか、そして高校存続のために今、何が必要なのか
上田 諒哉 上満 眞子 武田 宗[愛媛県立長浜高等学校]

ENCOURAGING PRIZE奨励賞

地域課題部門

避難所でのピクトグラムの有効活用~在住外国人支援~
玉置 千珠 藤本 奈那 真木 美羽 渡部 仁美[愛媛県立西条高等学校]
みんなで目指す牛乳の町!~日本一広い高校から私たちがつなぐ町おこしプロジェクト~
竹内 洸 伊林 瑞季 音川 一海 佐藤 夢花[北海道標茶高等学校]
源平「藤戸合戦・水島合戦」の舞台をリアル体験
今城 慧郁[岡山県立倉敷古城池高等学校]
伊予国の古典文学~愛媛が舞台の物語~
藤岡 遥菜 伊藤 萌々花 鎌田 琉音 武田 真佳[愛媛県立西条高等学校]
中古学生服でつながる地域の輪
鈴木 陽菜 瀧尾 咲季 高市 彩花[愛媛大学附属高等学校]
ギガの可視化~高校生が考えるギガを使った地域社会貢献システムについて~
有馬 瑠奈 岡田 愛加[愛媛県立松山南高等学校]
多文化共生社会に向けて ~地域住民と外国人をつなぐオンラインプロジェクトの可能性~
武村 侑南[岡山学芸館高等学校]
台東区における外国人向け避難場所、避難所についての考察-統計を用いた不確実性の考慮ー
又木 啓充[東京都立白鷗高等学校]
『輝安KOU房』活動中!!~西条市市之川鉱山産輝安鉱の新たな価値の創造に挑む~
髙橋 幸希 明日 香樺 浅木 柚葉 伊藤 朱希 伊藤 生成 伊藤 颯汰 越智 ののか 十亀 紗英 高須賀 郁乃 高橋 快斗[愛媛県立西条高等学校]
SANUKIアートシェアプロジェクト ~「無の空間」を活かした新たな地域活性化~
三好 遼大 小池 雅哉 西川 聡一郎[大手前高松高等学校]
一人一人の防災意識の向上と災害に強い街づくり -from one person to one team-
日野 友莉香[愛媛県立川之江高等学校]
「安芸本町商店街復活への道」~高校生が地域を繋ぐ~
並村 魁一 大黒 斗陽 小松 周平[高知県立安芸高等学校]

研究・探究部門

事象の数学化~愛媛県の伝統工芸品「姫てまり」を通して~
森 直子 門田 吾良人 昇 海斗 増元 謙太 山下 翔友[愛媛大学附属高等学校]
食品ロス削減のために高校生に求められること~高校生の食品ロスに対する認知と行動から~
坂 恵梨花[名城大学附属高等学校]

審査委員長総評

愛媛大学社会共創学部長 徐 祝旗

社会共創コンテスト2020の作品募集期間は、新型コロナウイルス感染拡大で学校が休校を余儀なくされた時期と重なっていました。毎年楽しみにしていた高校生の取組は、今年拝読できるかが、すこし気掛かりでした。

募集は予定より2週間延長され、5月25日に締め切られました。北海道から鹿児島まで225作品の応募がありました。毎年順調に増えています。これもひとえに、ご指導していただいております各高校の先生方、地域のステークホルダーの皆さまのおかげであると深く感謝申し上げます。

応募作品は毎年レベルアップしています。今年の応募作品を概観しますと、高校生の地域課題への情熱、研究探求への知的好奇心が目に見える形で発芽、成長、結実となっていく特徴があると思えます。多様かつ複雑な課題に対して高校生ならではの視点から研究テーマの「芽」を適切に設定する作品が多く見受けられます。具体的に設定された地域課題・研究探求の目標に対して、適切な手法を用いて、課題解決へと確実に突き進むプロセスが段取りよく取り入れられています。「芽」を育てて、枝葉の確実な「成長」過程が、より明確に示されています。

高校生が取組・活動を出発点として、地域課題・研究探求課題の根本的な原因の究明、解決方法の模索を一所懸命考えながら、地域ステークホルダーと協働し、アイデアを頭に留めることなく、社会実装への試みは着実に進んでいます。「結実」が高く評価できる作品が増えています。

今回の応募作品の中には、農産品の開発や発信、災害対策、グローバル・共生に取り組む活動、地元特産である真珠の加工方法といった、身近な地域で研究に挑戦したり、また、高校の先輩からその魂を受け継いできたテーマや、普段から気になっていた地域の問題に対して、個人あるいはグループで考え抜いたアイデアであったりと、その形態はさまざまでしたが、いずれも見事にその目的を達成しておりました。そのため、入賞作品の選考につきましては、優劣つけ難く大変苦慮いたしました。

様々な作品を通して言えることは、社会問題を自らの課題とし、地域をよくしたいと思う高校生が数多くいることであります。高校生が社会の新しい「芽」でもあり、彼ら彼女らの思いを具現化できるように、大学そして地域社会がバックアップしていくことこそが、新時代の主役の「成長」と繋がり、やがて地域活性化に「実」を結びます。

4年目を迎えた社会共創コンテストは、高校生の課外活動や課題研究を評価し、社会へ発信する機能がすでに定着したといえます。Withコロナという、新しい試練に恐れずに立ち向かう高校生のチャレンジは、これからも続くでしょう。「社会共創コンテスト2021」で若き熱い想いと再会したいです。