令和7年度以降入学生新設サイト

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社会共創コンテスト

社会共創コンテスト2026

たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
地域の発展を願う高校生からユニークなアイデアが集まりました。
素晴らしい応募作品の中から、見事入賞された23作品を発表いたします。

GRAND PRIZEグランプリ

地域課題部門

未利用資源「竹」を用いた地域活性化に関する研究〜白壁の街の新特産品をツムグ〜  作品 

岡山県立高松農業高等学校
田邉美桜、小野瑞葵、森本千穂、山本優花、中野悠平、難波航平、齋藤藍叶、松隈結恵、岩崎未華、板野萌百香

【講評】

 

放置竹林という地域課題に対し、未利用資源である「竹」を農業・畜産・商品開発に活用し、地域活性化につなげようとした点を高く評価した。竹粉末を用いたトマト・ピーマン・ブドウの栽培実験では、生育促進や果実品質の向上、雑草抑制効果などを検証し、竹資源の農業利用の可能性を具体的に示している。また、発酵竹飼料を用いた採卵鶏への給与試験や換羽用飼料、竹ペレット猫砂としての利用など、畜産分野にも研究を広げている点は独創的である。さらに、高校と地域企業が連携し、竹炭入り飲料や竹を活用した卵・果物を用いた商品開発に取り組むなど、研究成果を地域に還元しようとする実践的側面も評価できる。科学的な実験と地域連携、商品化への展開が一体となった、未利用資源の新たな価値を切り拓く意欲的で優れた取り組みである。

 

 

研究・探究・DS部門

廃棄うどんを用いた高効率水素生成プロセスの設計と最適化 作品

香川県立高松高等学校
船越温

 

【講評】
廃棄うどんから水素をつくるという難易度の高い課題に挑戦していることが高く評価された。未利用資源としての廃棄うどんの現状が背景で詳細に記載されていた。研究の方法として、水素を一連の管で製造する試みも高い水準であった。表現として、各項目が論理的に構成されており読みやすいだけでなく、グラフや写真も効果的に取り入れており評価が高かった。今後は、LCAの点からも研究を進めるということで、社会的・経済的観点も考慮した成果発信に期待したい

 

SECOND PRIZE準グランプリ

地域課題部門

こども食堂が子どもにとっての居場所として機能するための高鍋モデルの提案〜居場所尺度と運営者調査に基づく現状分析から〜 作品
宮崎県立高鍋高等学校
松井はな

 

【講評】
こども食堂が単なる食事提供の場ではなく、子どもが安心して過ごせる「第三の居場所」と考える点に着眼点の面白さが認められる。また、学術的な分析手法も用いてスタッフの「時間的・精神的余裕」という要因を抽出しており、専門的な後方支援(コミュニティソーシャルワーカー:CSW)が、運営者の負担軽減と専門性の補完に有効であるとするなど、分析手法の学習などの努力が認められる。さらに、結果をもとに持続可能な運営モデル(高鍋モデル)という具体的な新しい提案を行っている点に、社会的な有用性が認められる優れた取り組みである。

 

研究・探究・DS部門

雪国向きLED信号機の研究 作品 
青森県立名久井農業高等学校
TEAM RED SIGNALSⅡ:出町孔汰、前川原新、熊谷紀乃、前川原椿、箕田明莉

 

【講評】
LED信号機の着雪問題に対し、撥水性・放射熱・熱供給・熱透過性という4つの視点から体系的に実験を行った点で完成度が高い。特に、発熱しにくいLEDの中で赤外LEDが発熱しやすい特性を保温ヒーターに転用する発想は独創的で、低消費電力という省エネ性も示せている。接触角や温度測定など複数の手法でデータを整理し、説得力のある検証となっている。一方、各実験は試行回数が少なく再現性の検討が不足し、室内実験のみで実環境での耐久性・視認性の検証が今後の課題であるが、プロトタイプ試作と実証実験への展開が期待される。

 

SPECIAL PRIZE特別賞

地域課題部門

感情を花束にして手放すメンタルサポートアプリ 「Hanaboke」の開発と展望 作品
中央大学附属横浜高等学校
日垣朋果

 

【講評】
実際にアプリをリリースしていて、おそらく周囲のご友人にも試してもらったのでしょう。企画力と周囲を巻き込める環境を活用して、最初のゴールまでたどり着けた点が評価できました。また、作者自身の問題意識についても丁寧に論述されており、一つ一つのアプリには、作者が作るに至る背景が様々にあるのだということが改めてわかりました。今後、利用者が増えるなかで、多方面からさらなる研究が可能になると思われます。今後の研究の発展に大いに期待しています。

【学生審査員より】
気分に合わせた花の色を毎日積み重ね、最終的に「花束」という目に見える形で変化を実感できる仕組みは、斬新でありながら深い癒やしを伴う優れたデザインだ。言葉にしにくい感情をアートの手法で包み込むアプローチは、他のメンタルケア領域にも広く応用できる高い汎用性を秘めている。さらに、このアイデアを机上の空論に留めず、自らアプリ開発へと突き進む実践力が実に見事である。

 

研究・探究・DS部門

SST法による櫨栽培の再生と里山バイオマス循環モデルの構築 作品
愛媛県立大洲農業高等学校
櫨の環プロジェクトチーム:片山璃奈、大河由奈、新海斗、森田りり、本田結愛

 

【講評】
櫨栽培の衰退と耕作放棄地・里山荒廃という地域課題に対し、種子表面の蝋質を鹸化反応で分解する新規処理法(SST法)を開発した独創性の高い研究である。発芽率0.1〜10%という難題を約80%まで向上させた成果は顕著で、最適濃度6%と中和工程の必要性を、発芽率・T50・主根長など複数指標とt検定、さらにFTIR分析で多角的に裏付けた点に説得力がある。有効積算温度による地域気候との整合性の検証や、36か月の生育・CO₂固定まで追跡し、和蝋燭・石鹸を含む資源循環モデルへの構想力も高く評価できる。一方、各試験はn=20と限られ、栽培実証の反復区や対照区の設計はやや不明瞭であるため、今後は再現性の確認と実規模での検証が期待される。

【学生審査員より】
汎用性の高い櫨の活用に向け、従来の課題だった原因を的確に解明した点が見事である。既存の方法に比べて作業の扱いやすさを劇的に向上させ、さらに高い発芽率を達成するという極めて優れた結果を残している。この画期的な成果は、櫨の持つ可能性を最大限に引き出すだけでなく、今後の安定的かつ効率的な資材調達や産業利用の拡大において、多大な貢献をもたらす価値ある一歩である。

 

ENCOURAGING PRIZE奨励賞

地域課題部門

高齢者のQOL向上とAI搭載ロボットの可能性 作品 

徳島県立脇町高等学校
國岡妃葵、住友健一郎、西村こまち

【講評】
高齢者福祉施設の入居者を被験者にして、「ロボットとの会話」が入居者のQOLの向上におよぼす効果を測定・検証したものである。問題意識の提示から検討課題の導出に至るまでの流れ、研究方法の選択、結論の提示方法など、リサーチ・デザインのよさが光る。また、使用するロボットに関しては既製品を活用することで、時間的リソースをテキストマイニング的分析に割いている点も、結果的に研究のクオリティを高めることに寄与したのではないだろうか。欲を言えば、得られた知見を活用しつつ、地域の生活環境を向上させるための実践的取り組みに結びつけてほしい。その意味では、作中において「本来の目的」と位置づけられている「単独世帯への導入」に関する、今後の研究展開が楽しみです。

 

造園力で地方創生 ~地域資源を活用した地域振興~ 作品 

愛知県立猿投農林高等学校
長嶌歓奈、山内結菜、三宅流星、丸山綸斗

【講評】
地域資源を活用した地方創生の取り組みとして高く評価できる。採石跡地の活用やガーデンツーリズムの推進、地元産業との連携など、多面的な活動を通じて地域課題の解決に貢献している。また、高校生が主体的に企画・設計・施工に関わっている点も優れている。一方で、活動内容が豊富な反面、全体の構成がやや分かりにくく、成果や結論が伝わりにくい部分がある。加えて、観光客や地域住民の評価に関する分析が十分ではなく、アンケートやインタビュー調査を実施すれば、活動効果をより客観的に示せると考える。

 

VRで残したい地域の記憶【新聞部VRアーカイブ計画】 作品 

滋賀県立虎姫高等学校
新聞部:小川倫輝、矢守蘭、勅使河原葵、橋本悠生、辻美祐、中川陽色、廣瀬実樹、丸岡陽介、神藤逸希、田中梨々花、林泰成、田川華帆、東野千真、桑名葵、髙山幸笑、南雲彗太、浅井咲穂、何歆婷、津田太祐、藤田結花、藤本真優、堀明日香、渡辺真白、平井美結芽、法邑琉生、川村彩日、塚田真生、松井稜叡

【講評】
戦争遺構と戦災者の体験とを紐づけてデジタルアーカイブ化している点に高い独自性が認められる。戦争の絶えない現代における平和学習の手段として持続可能性の高い取り組みであるともいえる。本作品には文字の装飾や写真が多用されており、限られた紙幅の中で活動内容を読み手に理解させる工夫をしている点も好印象であった。それでも、平和学習、地域理解、福祉という3つのコンテンツの情報量のバランスや、それぞれどこまで実現できたか、何が課題かについての詳細な説明を求めてしまうのは、今後の活動の発展を期待しているからにほかならない

 

紀伊半島 生態系『万里の長城』プロジェクト ~ 山と里をつなぐ“バッファゾーン(緩衝地帯)”の再生 ~ 作品 

和歌山県立田辺高等学校
上村聖奈

【講評】
近年命に関わる問題となっているクマとの共存方法について、森林の整備に着目して研究した作品である。環境活動でありがちなボランタリー的な活動ではなく、最新の森林政策について調べ、実際に森林環境税の活用方法として検討・実践している点が、高校生の枠を超える活躍につながっていると思われる。今後の森林所収者のあるべき姿の1つとして非常に頼もしく、大いに評価したい。地図情報を活用して整備重点エリアを検討しているのも興味深く、プランを和歌山県内の関係先と検証してもらえると、よりリアリティが増すはずである。

 

「言葉」と「電源」の壁を超える!私たちのアナログ防災革命 ―多言語防災圧縮タオルでつくる、誰も取り残さない地域の輪― 作品 

岡山県立玉島商業高等学校
横山袮緒、塩尻 瑠那

【講評】
災害時における外国人住民の孤立という地域課題に対し、「多言語防災圧縮タオル」という実用的かつ独創的なツールでアプローチした点を高く評価した。倉敷市玉島地域の外国人住民の増加や生徒アンケートを踏まえ、地域にある「言葉の壁」や「無関心」という見えにくい課題を的確に捉えている。また、社会福祉施設との合同避難訓練を通じて、災害時にはスマートフォンや翻訳アプリに頼ることができない可能性に気づき、電源も電波も不要なアナログ・ツールの開発へと発想を転換した点は優れている。さらに、ヒアリングを重ねながら必要な言葉や対応言語を検討し、圧縮タオルメーカーや倉敷市地域防災推進課とも連携して、避難所での備蓄や防災訓練での活用まで見据えている。防災用品としての機能に加え、日本人と外国人が互いに助け合うきっかけを生み出す、共助と多文化共生の視点に満ちた社会的意義の高い取り組みである。

 

CBTモデルを活かした観光まちづくりモデルの構築は可能か ~観光客・地域住民・行政機関の間接的交流を促すコミュニティマップアプリ導入による経済と交流の両立の検証〜 作品 

青翔開智高等学校
福田百花

【講評】
CBT(コミュニティ・ベースド・ツーリズム)の視点を援用しつつ、観光客・地域住民・行政機関の三者をつなぐマップアプリの可能性を提示し、そのプロトタイプの作成にもチャレンジした意欲作といえる。とくに経済効果だけでなく、交流の側面も重視した問題意識に独自性を認めることができ、ゆくゆくは「地域の持続可能性」をめぐる本格的な議論に昇華していくことができるだけの発展性を認めることができる。ただし、「ないものねだり」といえるかもしれないが、効果の検証は「試算」に留まっており、欲を言えば実証的データも見てみたいところである。利用者のモニター調査から得られた質的データを整理することによって、有意義な知見が得られた可能性もあるように思われる。今後の展開を楽しみにしています。

 

起業家におけるスポーツ等の経験の意義 - 地方創生の加速を目指して - 作品 

徳島県立城ノ内中等教育学校
山本大貴

【講評】
スポーツ経験が新しい挑戦への自信やコミュニケーション力の向上に寄与しているという自身のスポーツ経験などをもとにした取り組みである点が独自である。また、スポーツ経験のある起業家へのインタビューにより、スポーツ経験が起業家に与える要素について分析されており、スポーツ経験のある起業家が体力・精神力・責任感などを起業の成功に活かしている傾向が強いなど、具体的で有用な知見を導き出している点、具体的な提言がなされている点が優れている。

 

瀬戸の花夢プロジェクト ~Set on an innovation~ 作品 

岡山県立瀬戸南高等学校
上月美古都、岸本璃子、髙原佳介、川本隼大

【講評】
花を活用した地域活性化の取り組みとして高く評価できる。アンケート調査に基づいて販売会や体験講座を企画・実施しており、調査から実践までの流れが明確である。また、生徒が主体的に地域住民と関わりながら活動を進めている点も評価できる。全体の構成も分かりやすい。一方で、地域活性化への効果については、参加者の満足度だけでなく、活動終了後も花の購入や地域活動への参加が継続しているかを把握できれば、本活動の持続的な効果をより明確に示せると考える。

 

松山の玄関口をすべての人へ-触察ジオラマとメタバースが繋ぐ、障がい者・外国人観光客の新しい体験価値- 作品 

愛媛県立松山南高等学校
触察×空間デザイン班:田村和也、大野 智己、金田 直人、高松 胡桃、藤原 遙馬

【講評】
非日本語話者や特別支援学校の児童生徒のアクセシビリティ向上を目的としている点で高く評価できる。ジオラマの作成とバーチャル空間の作成は技術的要求の高い作業であると思われるが、いずれも社会実装までの見通しが明るく、実現可能性が高い状況にある。なにより、活動の目的や内容といった作品全体の構成が端的で分かりやすかった点を評価したい。本作品では松山市が事例であったが、このような取り組みを求める施設は世界中にある。今後の活動の発展が期待される。

 

アップサイクル〜三朝町の空き家の家具をアップサイクル〜 作品 

鳥取県立倉吉西高等学校
山根光稀、源康介、森野夢香

【講評】
三朝町における空き家の増加という地域課題に対し、空き家に残された家具や廃材をアップサイクルするという実践的な切り口でアプローチした点を高く評価した。人口減少に伴う空き家の増加や、家具が残されることで借り手がつきにくくなるという課題を捉え、実際に町内の空き家を調査し、再利用可能な家具や木材を見いだしている点に説得力がある。また、回収した廃材を用いて椅子を制作し、木材加工、表面の研磨、組み立て、オイル塗装まで丁寧に行い、ふるさと納税の返礼品として出品・寄付につなげた点は、地域資源の新たな価値を創出する成果である。さらに、小学生向けワークショップの提案を通じて、ものを無駄にしない意識を地域に広げようとしている点も評価できる。空き家問題の改善と資源の有効活用を結びつけた、地域への思いと実行力に満ちた意義ある取り組みである。

 

「2,000kgの廃棄物」を資源に変える循環型スクールモデルの構築計画 作品 

駒澤大学高等学校
髙橋景介

【講評】
高校生の日々の活動の中で発生するパウチ飲料の空き容器やプラスチック容器のリサイクル率を高めるべく、校内アンケート調査も足がかりにしつつ対策を検討した作品である。とくに、「情報の非対称性」の存在に注目し、その解消を通して再利用のムーヴメントはまだなお広がる余地があると前提する経済学的視点に最大の特色がある。そもそも再利用可能であることが周知されていないのではないか、また、情報の偏在によって消費者側の分別コストが高く見積もられすぎているのではないかといった指摘は、実際の政策立案の文脈においても、傾聴に値するであろう。欲を言えば、十分な情報を保有する主体とそうでない者との間で、現実のリサイクル行動に差が生じているのか、また、提案されている対策を実際に実施した場合の結果などについても知りたいところではある。今後の展開が楽しみである。

 

弱視者のためのピクトグラム開発 作品 

広島なぎさ高等学校
曽根川嘉美

【講評】
研究者自身が一時的に視力低下を経験したことから、現在のピクトグラムは健常者向けに設計されており弱視者には判別が難しいという社会的課題に気づいた点、弱視者にとって見やすいピクトグラム(特に非常口表示)の開発を目指した点が独自である。また、既存の非常口ピクトグラムを基に、人物・矢印・色などの要素を組み合わせたデザイン案を具体的に検討するなど、今後のこの分野の改善にとり、社会的に有用な取り組みである。

 

研究・探究・DS部門

小さな侵略者!? マイクロファイバーによる海洋汚染 -今、私たちにできること- 作品 

岡山県立倉敷工業高等学校
安原なつみ、渡谷結衣

【講評】
故郷の特産品と環境を守りたいという強い意志に心を打たれた。構成に関しては、目的~まとめまできれいにまとめられており、非常に読みやすい文章であった。実験の流れについても、まずは帆布・デニム・ストレッチデニムそれぞれのマイクロファイバーの放出量について調査した後、特に放出量の多かったデニムの「綾目の向き」に着目し、右綾と左綾でマイクロファイバーの放出量に違いがあることを明らかにした上で、結果の考察をわかりやすい図解を持って示しているのが良かった。改善点としては、2つ以上の種類の差を比較したい場合は、サンプル数を増やし、t検定を行うと良い。t検定がなければ、サンプルの個体差による差であるのか、有意な差があるのかが分からない。そのため、実験方法に各種類ごとのサンプル数を明示することが重要である。今回の研究で興味深い結果が得られたので、今後はサンプル数を増やすことでより質の高い結果が得られることを期待している。

 

外来アカウキクサ属の駆除に向けた温度条件が色調および成長率に及ぼす影響の評価 作品 

愛媛県立松山南高等学校
菊池裕太、上村芽生、保手浜拓、三上秋人

【講評】
愛媛県における外来アカウキクサの拡大という地域課題に対し、温度変化に伴うストレス応答に着目して解決を試みる姿勢は、前例がないアプローチであり素晴らしいと思います。また、先行研究を丁寧に引用しながら論理的に解析を進めており、説得力のある研究に仕上がっています。一方で、先行事例が少ないことやサンプル数の制約から実験が難航したと推察しますが、当初の目的であった「効果的な駆除時期の提案」について、結論部分でもう少し言及があるとさらに良くなると感じました。現時点での結果から言える範囲の仮説だけでも示されていると、研究のゴールが明確になったと思います。

 

簡便なバイオ由来高吸水性ポリマーの合成 作品 

愛媛県立上浮穴高等学校
大西歩実、小熊陽葉

【講評】
環境負荷の低減に貢献するバイオポリマーの吸水性に着目し、おむつへの応用を目指した実用性・学術性の高い研究になっていた。材料としてデンプンとクエン酸という食品添加物にも利用される安全性の高い化学物質を扱っていることも興味深い。実験の原理などは分かりやすく模式図で表現されていた。また、実験の様子も写真が多用され、反応を目にしていない読者にもわかるように工夫されていた。今後の展望として、木材由来で高吸水バイオポリマーをつくるということを挙げられていたため、地域林業活性化という点でも応援したい。

 

球状歯車の動作特性と小型化に関する研究 -多自由度機構の社会実装に向けて- 作品 

愛媛県立松山南高等学校
田村和也、山路大陽

【講評】
一貫して「高価な専用設備に依存せず、社会実装しやすい技術の開発」という点に軸を置いていることが非常に素晴らしい。構成については、はじめに~今後の展望までとてもきれいにまとめられており、読みやすい資料となっていた。実験の評価方法として、高度な計測機器がなくても球状歯車の入力トルクと出力トルクを定量的に計測する方法を考案しており、結果としては手動測定で大きな誤差が生まれたが、これを単なる失敗と思わず、今後の装置改良に向けた基礎データとしてポジティブに捉えている点が、素晴らしいと思った。実験の結果は必ずしも仮説通りにならなくても良い。正しく考察を行うことで、次の研究に繋がっていく。本研究ではトルクの定量的な計測方法や、中小規模の試作環境における球状歯車の小型化の限度について今後の研究に大きく貢献するような基礎的な見解が得られた。今後大学進学、就職した後も「社会実装を見据える開発」という観点を大切にして欲しいと思う。今後の活躍に期待している。

 

⾳波による アオコ発⽣抑制技術の開発 作品 

青森県立名久井農業高等学校
環境研究班:熊⾕紀乃、出町孔汰、前川原新

【講評】
農業現場の課題に対し、多角的な水質分析や実際のレタス栽培を通して定量的に効果を検証できており、優れた研究だと感じました。特に、超音波が効かなかった理由を「照射角」という物理的な制から考察し、水槽全体を揺らす低周波の有効性を論理的に導き出せたプロセスは見事でした。失敗を成功に変えることは今後の研究でも大きく役立つと思います。一方で、表1の比較が1株のデータなのか平均値なのかが不明確であり、データのばらつきが読み取れませんでした。統計的な差があるかを示すとさらに信頼性が増すと思います。

 

 

審査委員長総評

社会共創コンテスト2026に、日頃の研鑽の成果を込めた数多くのご応募をいただき、誠にありがとうございました。今年も地域課題部門・研究探究DS部門あわせて多くの応募があり、いずれの作品からも、課題と真剣に向き合った皆さんの姿勢がひしひしと伝わってきました。

今回の審査を通じて改めて感じたのは、「答えを出すこと」よりも「問いを立てること」の難しさであり、そして豊かさです。地域に出かけ、人と話し、何度も壁にぶつかりながら、それでも自分なりの問いを手放さずに取り組んだプロセスこそが、このコンテストの本質的な価値だと思っています。

皆さんはこれから近い将来、学びの場を離れ、社会のさまざまな場所でそれぞれの道を歩んでいきます。その中では、誰も正解を教えてくれない場面が何度も訪れるでしょう。そのとき、今回の取り組みで培った「自分で問いを立てる力」「他者と関わりながら考える力」「うまくいかなくても続ける力」が、必ず皆さんを支えてくれると確信しています。結果として受賞に至らなかった作品も含め、このコンテストに挑んだすべての経験は、皆さんの中に確かに残っています。「あのとき自分はこう考え、こう動いた」という記憶は、これからの長い人生において、思いがけない場面で力を発揮するものです。自分の「ワクワク」や「おかしい」という感覚を大切にしてください。その小さな感覚こそが、社会を動かす問いの出発点になります。

皆さんのこれからの挑戦を、心から応援しています。

                                                                      社会共創コンテスト審査委員長 松村暢彦

 

 

社会共創コンテスト2026表彰式

  • 社会共創コンテスト2025表彰式の記事  「社会共創コンテスト2025表彰式」の動画は、こちら   ※ 映像提供:愛媛CATV
                          愛媛CATV「イベントチャンネル」にて繰り返し放送されています。番組表はこちら